気づく力をたかめるにはどうしたらいいか とよく聞かれる。私は次のようにしている。まず、自分が現在抱えているストレス、特に感情ストレスを解放する。これは手っ取り早い方法としてはフロンタル・オクシピタル・ホールディング(新聞でみたのだが、確か、サッカーのオシム監督も使っている)、やEFT(Emotional Freedom Technique)がよいと思う。ただ、右の後脳が痛む場合は、過去のちょっとしたトラウマがオンラインしているのでタイムラインセラピーが必要となる。

もちろん、瞑想も有効だ。最近は米国でも流行っている(http://www.time.com/time/covers/1101030804/ )。TMや光の瞑想、シッダ・メディテーション、シャマタ(上座部仏教瞑想)、チョプラの瞑想方法などもあるが、私の場合、上記のようにすぐ対応できるテクニックを使うことにしている。

もうひとつ、大切なのは、自分の気づく能力について否定しないこと、疑わないことである。どうして自分は気づけないのだろうとか、ネガティブな想いを持たないことだ。もし、自分は気づくのが苦手だとか、信じ込みになっている場合には、其の信じ込みを解放することが必要だ。カルフォルニア大学の精神医学教授、ボーレン女史によれば、シンクロニシティは身の回りで毎日起っているのであり、それに意識を向ければよいだけなのだ。

自分の脳の可塑性を信頼し、なるべく具体的な問いをもつこと、そして、後は受け身にしていればたいてい気づくことができるようになると思う。


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ドラッカーのまんが本がベストセラーになっていると聞いた。ドラッカーは昔から読まれてきているが、最近、特にクローズアップされているようだ。それでは、ドラッカーの経営者へのメッセージの中で何が一番大切だろうか。

私は、彼の著作の中で、次のメッセージが経営者にとって最も大切だと考えている。「成果を上げるには、人の強みを生かさなければならない。・・・利用できるあらゆる強み、すなわち、同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない。強みこそが機会である。強みを生かすことは組織に特有の機能である」(「プロフェッショナルの条件」)

経営者はよく、組織は人なり、企業は人なりという。ならば、なぜ、組織のメンバーの強みを生かし、総動員し、組織の自律性を受け入れ、組織の成長や学習、創造的活動を高めることを考えないのか。さらにいえば、なぜ、そのように組織が機能するように、組織の構造や仕組みを設計しないのか。ドラッカーが組織の正当性の唯一の根拠がここにあるというように、組織の本質は組織の構成員の強みをいかし、1+1を2以上にすること、にあるはずである。

いつも不思議に思うのは、多くの経営者がドラッカーの著作を読んでいながら、数あるメッセージの中で何が最も大切かについて考えている人がいないことである。ましてや、それを実践している人はいないのではないか。少なくとも、これまで過去20年以上にわたるコンサルティング経験、そして、経営者とのディスカッションの中で組織のあり方について話題に出たことはない。 また、一流のビジネス誌にしても然りだ。組織の生産性というと現業部門は改善の話、ホワイトカラーの場合は、人事制度、あるいは成果主義云々の話しか出てこないのだ。これではいつまでたっても日本企業は発展しない。見えない枠組みの中でどうどうめぐりしているだけなのだ。

なぜ、組織の本質とそのあり方について議論がなされないのか。ひとつには日本には戦略や人事に詳しい人はいても組織の専門家がいないということがあるだろう。しかし、なんといっても、経営者自身が、自ら企業経営とは何か、組織の本質とあり方について考えようとしないからではないか。


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私が好んで読むビジネス雑誌といえばベンチャー通信である。

大手のビジネス誌はビジネスに関する左脳的なデータや情報を入手するのにはいい。また、人との話のとっかかりに基本的なネタとなる。ただ、本当に役に立つか、その意味でおもしろいかという点からみるとどうか。それぞれの雑誌の編集の方針が色濃く反映していてどうしても見方が「マスコミ」なのだ。

暗闇の中で我々はサーチライトの光によって初めて事物を捉えることができる。これと同じように、コンセプト、あるいは編集方針というサーチライトによって、照らされた事物をわれわれは「事実」として認識する。しかし、現実にはまだサーチライトによって照らされていないリアリティ(経験的世界)の暗闇の部分は大きく広がっている。この無限の暗闇の部分はまだ事実として認識されていない、残りの部分である。これを残余カテゴリーと呼ぼう。大手のビジネス誌だと、はじめに編集方針、あるいはその背景にある記者の世界観が強く反映しているため、サーチライトの光が増えたり、角度が変わるということはあまりない。

翻って、ベンチャー通信はどうか。この雑誌の記事は、基本的にインタビューがメインとなっており、また、インタビューの切り口がざっくりしているため、成功している経営者の生の声がそっくりそのまま掲載されている。つまり、経営者の世界観、モノの考え方がストレートに伝わってくる。しかも、インタビュー記事は見開き4ページにわたる詳細なものも多く、ベンチャー経営者の鼓動が伝わってくるほどの生々しさがあるのだ。

もうひとつは、これはあくまで私の想像にすぎないが、この雑誌の発行者自身がベンチャー経営者なのではないかと思う。少なくとも、株式会社幕末というベンチャーに在籍していることから、その世界観が反映され、記事が読み手をワクワクさせるものになっているのではないか。サーチライトの光が大きく、また角度も変わるので、今まで見えなかった暗闇が出らされて、新しい事実が認識されるのだ。残余カテゴリーという暗闇が、新しいコンセプトによって照らされて事実に変わるのだ。このサーチライト、つまりコンセプトの変更ないしあたらしいコンセプトの創出こそ、創造をもたらす。


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ヒップホップダンスの好きな長女の勧めで、映画「バーレスク」を観た。今世紀最高の歌姫といわれるアギレラ。彼女の力強い歌唱力と、その生命力あふれるダンスには脱帽だ。伝説の歌姫シェールも登場して懐かしい。そして、この映画の背景にポストモダンな組織を垣間見た。



表のストーリーはバーレスクで歌って踊ることを夢見るヒロイン アリの成功物語だ。彼女は自分の才能への信頼と情熱をもって立ちふさがる壁にチャレンジ、ついに主役に踊り出る。これが男性の場合、ライバルとの戦いが大きくクローズアップされるのが通常だが、女性のせいか、そういう戦いはない。むしろ、夢に向かって障害を乗り越えていく自己実現プロセスが描かれる。この映画での男性は女性の支援役だ。 たとえば、部屋を提供し、アリを優しく応援するバーテン。シェール演じる女主人テスには、彼女を理解し、相談相手となる振付師がいる。


裏のストーリーは、クラブ・バーレスクの経営難の深刻化だ。借金の返済に窮し、最悪の事態にまで追い込まれるが、バーレスクのメンバーを家族のように思うテスは大金を積まれても経営権を手放さない。アリも、クラブを買収しようとする不動産富豪から高級クラブへのオファーを提示されるが、バーレスクへの想いやメンバーとの心温まる関係性から受け入れない。そして、最後には一計を案じ、バーレスクの経営を窮地から救う。アリのテスへの言葉が印象深い。「テス、あなたから心からのありがとう、が欲しいわ」と。


この映画では、ポストモダンの特徴である、脱物質的価値観が明確に窺える。 バーレスクのようなダンス・ミュージカルとしては、「コヨーテアグリ」や「シカゴ」が記憶に新しいが、当時の時代背景はやはり名声、地位、報酬、人気など他人から与えられるものの方が重要だった。 しかし、バーレスクでは明らかに異なるのだ。彼らが欲しているのは、存在の豊かさ、人生の意味づけ、生きる喜びなのだ。やりくりが大変だという状況がモノの豊かさ(カネ)に向かわないのだ。


ポストモダンな組織のもう一つの特徴は脱分節化、脱管理といってもよい。バーレスクでは、男性が女性を支援していて、そこでは、序列や権威(ないしシニオリティ)による機能分化は融解している。経営難というゆらぎをきっかけに、ダンスだけから歌って踊るショーへと脱皮したバーレスクは自己変革能力を備えた組織といってよいように思う。


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経営のプロという言葉が取りざたされている。戦略コンサルタント出身でファンドから派遣されてターンアラウンドを行う人材のことを経営のプロだというらしい。これはおかしくないか。正確にはターンアラウンドないし企業再生のプロというべきだろう。本物の経営者、たとえば、日産のゴーンさんを同列に挙げるのは彼に対して失礼だと考える。

ターンアラウンドマネジャーがやっていることといえば、実際にはリストラクチャリング(社員の解雇ではなく、欧米流の本来のリストラクチャリング)にすぎない。これは、極論すれば、戦略コンサルティングをそこそこ経験した人材なら誰でもある程度できるものだからだ。何をやっているかといえば、儲かっていない部分を切り捨てて、儲かっているところに集中するというだけのことである。できないとしたら、それはその人の実行力不足ということにすぎない。

そもそもターンアラウンドマネジャーが育たないとか、育てるべきとかいう議論は本末転倒というべきである。なぜなら、企業が傾いて困った時の神頼みとして、リストラクチャリングできる人を育てるべきだといっているのに等しいからである。それよりも、大切なのは、企業として次の経営者をいかに育てるか、いわゆるサクセッションマネジメントの仕組みをどうするかという議論である。

実際、欧米の多国籍企業の実に90%近くがしっかりしたサクセッションマネジメントの仕組みをもっており、後継者を社内から選んでいる企業はほぼ70%ということが判明している。後継者育成制度を持たないのは日本企業くらいであり、その意味でも日本企業はガラパコス化しているといえよう。


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