これは私の里親Tさん親娘が
その猫をレスキューして見送るまでの
わずか24時間だけの飼い主になった話である。


つい数日前の事だ。


その猫は昨年の12月頃から
職場の近くで時折見かけていた子だった。





17:30

この日の17時半、Tさんが仕事を終わり
勤め先の病院を出ようとした時

その猫が病院の前でうずくまっていた。

一見してすぐに 
尋常な状態ではない事に気づき、

すぐに保護するべく
ダンボール箱を取りに職場に戻った。




しかし戻ってみると

その場に猫はいなくなっていた。

確実に弱っている猫
お尻のあたりにおかしなものを
ぶら下げているように見えた。





それを知った病院の師長さんが
夜間診療前の休憩中だったところを
外に出てきてくれて、
病院近辺のご近所さんと
一緒に捜索を手伝ってくれた。



18:30

明らかに怪我なり病気をしている。
やはり遠くへは行かず、
また病院へ戻ってきた。

助けて欲しかったのだろう。。


急いでかかりつけ病院に行くも
これほど酷い状態の猫を
今から手術する事は無理だ、となる。


お尻から出てる赤いのは

なんと、子宮離脱と直腸脱と診断された。




この時、すでにTさん家族は
野良猫とはいえ
全ての医療費を負担して
我が家の家族に迎える覚悟を決めてくれていた。

名前は、『くぅちゃん』と名付けた。




かかりつけ病院で





その時間、他の病院に電話し続けるも
どこも診察は19時までた。
受け入れてくれる病院はない。



20:00

最後の砦、夜間動物病院へ駆け込んだ。

夜間動物病院は快く受け入れて下さり
すぐに緊急手術が始まった。
長い時間がかかる手術だった。





手術が終わるのを見届け
病院は朝まで見ておくから
朝になったら迎えに来て
かかりつけ病院に運んで下さい
となった

夜間動物病院は、
入院ケージには入れず
常に医師たちの目が届くようにと
診察台の上にくぅちゃんを寝せてくれた。




4:30AM

Tさんが全てを見届け、
自宅に戻ったのが深夜1:30


しかし、そのわずか2時間後の3:30
 病院からくぅちゃんが急変したと
電話が鳴った。


急いで再び病院へ戻るも
くぅちゃんには術後を乗り切る力は
もう残っていなかった。。



頑張って助けを求めて病院にやってきて
大変な手術も頑張ったくぅちゃん



4:30  虹の橋へ旅立ってしまった。



この時、夜間動物病院の院長さんが
『助けてあげたかった。
助けてあげれなくてごめんね』
と、号泣してくれたそうだ。




わずか生後8ヶ月の女の子

子宮脱も出産によるものと推察された。

かわいそうに。。。。





それからTさんご家族は
くぅちゃんを連れて帰り
夕方まで、お家の中で一緒に過ごしたそうだ。


安らかなお顔になっていたくぅちゃん

せめて最後は優しい人間たちに助けられて

安心してくれたのかもしれない。



18:30

その後、くぅちゃんの亡骸は
Tさん宅のお庭に埋葬されました。





こんな事になるなら
もっと早くに保護しておけばよかった
と、Tさんは後悔してもしきれない想いを
泣きながら仰ってました。


いや、Tさんは、
本当にやれるだけの事を精一杯されたと思う


昨日、Tさんが言った
『24時間しか飼い主でいられなかった』と。







最後に

猫Tさんからのメッセージ猫


『くぅちゃんと出会った時、
野良の世界の事だからと
そのままにしていたら
きっと後悔していました。
あの時会えて、少しの時間だけど
飼い主になれて幸せでした。


助けに来てくれたYさん、
手伝ってくれた近所の方々、
懸命に治療をし、助けたかったと
涙を流してくれた獣医さん。
みんな同じ気持ちでくぅちゃんのために
必死に動いていました。


小さな命に向き合ってくれる
心の温かい人たちがいます。
くぅちゃんのような子たちが
そんな温かさと出会えますように。
みんなが温かい人になってくれますように。』




今回は、

傷ついた野良猫を見つけた際に
私のようなボランティアに頼る事なく
自ら全ての責任を持って
必死に助けようと動いてくれた方がいる事を
紹介したくて書かせて頂きました。


そしてもう一つ
外の過酷な常に死と隣り合わせにいる
野良猫たちにもっともっと救いの輪が広がる事を
祈って書きました。


野良猫にも愛を