昔かなり太っていた母。体重が重いせいなのか?重心が後ろ寄りで背中を反って歩くので、腕が腰の後ろになってしまい懸命に歩いても中々前に進まない。「もっと駆け足するみたいに前かがみで腕を前に振ってみたら」と帰省の度に一緒に練習したけど、長年の癖でその時良くなっても日々チェックする人がいないので結局元に戻ってしまい治りません。

いつしか歩く姿がコンプレックスになり、昔お嬢さまだった母はプライドが高く「そんな姿を近所の人に見られたくない」と1人で歩くのを嫌がるようになりました。

東京に住んでいる時は帰省しない分、母とは毎日のように電話でおしゃべり・・・

そう言えば父が認知症を患っていた時は、毎日1~2時間電話口で父に音読をさせていたのをふと思い出した・・・もう17年前か…

話がそれましたけど「誰もお年寄りの歩き方なんか気にしてないよ」「このままではトイレにも行けなくなるよ」と言ってもダメ。
「それなら家の中にある階段を毎日昇り降りすればいい」と言うと「階段汚れてるから拭き掃除してから」「手すりがないから危ない」
「じゃ階段使って踏み台昇降すれば…」「それなら人に見られないからいいね~やってみる」とその時は言うのですが後で聞くとやってない。
その繰り返しで何かと理由をつけては、自ら進んで鍛えようとしません。

まぁ確かに我が家の階段は、狭く途中から曲がっているのでちょっと危ない。
それならと忙しい中、兄弟3人が集まり皆で手すりをDIY。

 


出来上がった手すりに喜びさっそく階段を上がる笑顔の母。
それが約6年前。たった6年で…こんなにも状況が変わるとは…


いつ頃からか?母のためには歩かせた方が絶対良いのはわかっているけど、かなり時間がかかり、皆がちょっとイライラしてしまうので、出かける時は車椅子を使用。

ただ唯一運動のためにと携帯電話料金は引き落としにせず、キャリーバッグを押しながら店舗が無くなり結構遠くなったローソンまで、毎月支払いに行きそこでひとりコーヒーを飲んで帰って来ていたそう・・・

なので越して来てすぐはその記憶があるからか、頑張って一緒に歩いて行ったのに、私達がいるからなのか歩くのを渋るようになりました。

腰椎圧迫骨折で痛いのはわかっているけど、痛くても日々少しでも歩かないと筋肉が落ちて更に歩けなくなると思ったし、トイレに行けなくなったらこっちも大変だとの思いから、痛いと渋る母を何とか説得しさんぽに連れ出す。

そのやりとりにも疲れたそんな時、整形外科の先生が「頭も身体もしっかりしてるんだから歩かないのはもったいない」と言ってくれて母もようやくやる気に・・・

という事でがっちりコルセットを付け、手押し車を押しながら休み休みのさんぽが日課となりました。

が今度は私が体調不良に悩まされる事になるとは・・・