
私のイタリア留学は訳ありで、
本当は2~3年だったけど、
合計9ヶ月だけになった。
でも今考えると、
なんと思い出深い滞在だったろうか。。。
友人のMのお陰だ。
ありがとう。
色々な事が次から次へと起こり、
それぞれに色をつければ、
本当に七色で、輝いている話もあり、
どん底の話もありの、
様々な物語が出来た。
一番思い出深いのは、
アパートの上の部屋に出稼ぎに来る
ニコラさんの招待で
ナポリから遠くない、カゼルタ
の彼の家に招待されたこと。
ニコラさんは建築家で、
このアパートに年に何ヶ月間か住んでいた。
奥さんと5人の子供を引き連れて。
子供達5人はとてもワイルドで、
いつも裸足で
アパートの中を走り回ってた。
奥さんは南方のビッグママで、
とてもセンチメンタルで
素朴で暖かい人だった。

ローマから南はアフリカ、
などと北の人間がほざく
偏見がとても強い。
北は知的な事に重きを置き、
えばっている。
南は宗教心が強く、
暖く素朴な人が多い。
私にはそういう偏見は
とても異質に感じる。
Mと、
ニコラの家に行き
帰りはナポリに、
って軽い感じで旅に出た。
ガタゴト、ガタゴト、
その頃の電車はのろく、
なかなか遠い。
それでローマで一泊して、
南に向けて電車に乗った。
着いた、着いた、カゼルタの近郊の駅に。
田舎だけど、人が大勢いる。。
改札を出るとすぐに、
車が渋滞している道路に出た。
車の中の人たちは、
私たちを見て、
さも物珍しそうに、
ブーブー、
車の警笛をしきりに鳴らし、
チネーセ、チネーセって
おもしろがって興奮中。
チネーセとは中国人のこと。
中国人はすごいね、
どこに行っても東洋人の代表だ。
うわあー、異国なのよ。
それでニコラさんの家を
住所でもって探す。
あるレストランの中庭に
おばさんがいて、
スカートの上のジャガイモの皮を
むいていたので声をかけると、
目をキラキラさせて、
興味津々。
上がって行けって言う。
食事でも招待したいってばかりに。
おもしろいでしょう?
私たちはここではスターみたいだ。
ニコラさんの家がやっと見つかった。
中庭の向こうに大きな二階建ての
殺伐とした感じの家。
工事中で、
まだトイレがないそう。
水が貴重だから、
トイレは後まわしみたいだ。
一階は親戚のおばさんの家。
子供達が喜んで
裸足で駆け出して迎えてくれた。
それはそれはすごいエネルギー。

台所は中庭の中にある。
外にあるのだ。
奥さんはスパゲッティーやら、
魚料理やらを大量にお料理する。
彼女はすっごく料理がうまい。
出てくる料理のおいしいことったら!
でも一人分の量が半端やない。
こんなボリュームのあるお料理は
あまり見た事がない。
てんこもりで、
一つの料理で、もうお腹がいっぱい。
次々とおもてなしをしてくれる。
すっごくおいしいけど、
もう食べれないと言うと
悲しがるので、また食べる。
私の小さな胃では、
どうがんばっても、
限界がすぐ来る。。。。
ニコラご夫婦のベッドルームを
私たちが使う事に。
申し訳ないから、
子供たちの部屋でいいよ。
ニコラ達は絶対譲らない。
お二人は、
5人の子供部屋に一緒に。
どこまでも
暖かいおもてなし。
本物です。
朝起きたら、顔を洗うための、
水がはってある洗面器と
タオルがおいてあった。
枕元にはエスプレッソコーヒーと
ビスケットがおいてある。
親戚のおばさんが
用意してくれたみたいだ。
なんか 本当に愛情を感じて、胸が熱くなる。
私は子供達とよく遊んだ。
毎晩毎夜ニコラの親戚に招待。
会った人たちは
合計100人はくだらない。
みんな、日本から来た私たちに
一目会いたいのだそうだ。
どこへ行っても
私たちはスターなのだ!
日本はどれくらい遠いの?
自転車でどれくらい?
ぶっ飛んでる質問です。(苦笑)
子供達のリクエストで、
ナポリなんやら放送で
日本の曲をというので、
私は桜の歌を歌った。
多分この放送に出た
最初の日本人かもしれない。
4日目に、
どうしても家に帰りたくなった。
これ以上は不可能だった。
興奮と監禁状態で
わがままな私は
疲れ果ててしまった。
ニコラの奥さんは、
もっといてほしいと大声で泣く。
そんなことは、予想はしてたけど、
こっちまで悲しくなっちゃった。

帰る間際、奥さんが待った、をする。
Mの持っていた
ニコンのカメラが珍しかったよう。
二階の部屋にひきこもり、
何やらごそごそ。
子供たちと一緒に
奥さんが戻ってくるのを待ちに待つ。
階段からさっそうと
奥さんが大きな体をゆすらせて
まるで フェリーニの映画の主人公きどりで
階段をおりてくる!。
見た事もないような
ドレスを身に飾って、
さあ、写真をとって、と言う
素晴らしく強い態度。
Mが写真を撮り終わると、
また着替えに出かける。
それが3回続いた。
熱狂のファッションショー!
まだ次のドレスがあるけど、
電車の時間になってしまった。。。
やっと解放された 私たち。
素晴らしく歓迎されて、
貴重な体験をさせてもらった。
ありがとう、ニコラさん家族。
本当に愛すべき 暖かい人たち。
読んでくださり、
ありがとうございました。
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