
昔 結婚したことがあります。
私の元夫 トミオは 写真家です。
長野の山の奥の奥から来た、
お猿さんのような人。
大変やさしい、暖かい人です。
私はどうしてこの人と結婚したのか
今でも不明です。
そんな彼に会ったのは
姉がローマに来た時の
ホテルのロビーでした。
スペイン階段のすぐ前のホテルです。
ホテルに着いたら、変な日本人が
そのホテルの住民のようにそこにいて、
私たちを見て、おやっ?って言うんです。
彼は私たちが来たのをとても喜んで、
一緒にお茶をしよう。
その時、ジプシーの子供達、
4歳から8歳くらい
私たちを見ると
一斉に走ってきました。
ダンボール箱を持って
うわーって押し付けてきました。
お姉ちゃん、カバンに気を付けて!
姉はすぐにバッグのチャックへ
手をおきました。
子供は風のように
逃げて行ってしまいました。
その後 バール(カフェ)でお茶をして
姉が払うと言って
お財布を探してもありません。
本当に、子供達は 天才的でした。
たくさんお金の詰まった姉の財布を
見事な技で、持っていってしまいました。
姉はがっかり。
お金を上げたと思ったら、
って私も慰めました。
子供たちは物心ついてから
訓練を受けてるのでしょう。
本当に驚くべき早業でした。
あんな事が出来れるのなら
何でもできるはずなのに。
子供達を気の毒に思いました。

トミオが元気づけに、
夕食に招待してくれました。
場所は同じホテルの屋上。
トミオはマスを市場で買って来て
七輪でパタパタ扇いで、
おいしい焼き魚を
ごちそうしてくれた。
それがまた おいしかったこと。
今迄あんなにユニークな男の人に
会った事はありません。
ひょうきんな顔でステテコを
はいていました。
そして白の皮のジャケット。
それがまたとても似合うので、
可笑しくなってしまいました。
トミオがあんまり面白いので
ドンドン引き込まれて
しまったのでした。
後でわかったことですが、
私たちがそのホテルに着く少し前に
友人のMと友だちがちょうどトミオの
上の部屋にとまっていたのです。
M達がてるてる坊主を作って
「てるてる坊主、てるぼうず~」うたっていたら、
「日本人だね!」
ってトミオが声をかけたそうです。
Mは思わず
「ウワー、 はげてる!」
って言っちゃった。
気を悪くしたトミオは
M達に会うのは止めたそうです。
よく考えたら、すっごく可笑しい話です。
照る坊主、って はげ坊主 ???
もしMと会っていたら
トミオは私と結婚しなかったそうです。
Mは私のボーイフレンドだったからです。

魔がさしたとしか 思えない、
それとも避けては通れないような
運命だった。
結婚を決め、
彼の長年住んでいる
ニューヨークで
一緒に住むことになったのでした。
ボローニャ美大に
入学が決まったところでした。
付け加えると、
私の家族はこの結婚には
もちろん苦い反応でした。。
読んでくださりありがとうございました。
美術関係の記事は http://ameblo.jp/ohisama-art
こちらもよろしくお願いします。