その昔、壬生京極商店街が、ちょうど東新道通と交わる、角から2軒目に

<上甚(ウエジン>いう、名前のお肉屋さんが、ありました。

 

同級生のおうちやったこともあって、お肉はいつもこの

ウエジンさんで、買うてました。恰幅のええ、いかにもお肉屋さん

らしいふっくらしたおばちゃんと、小柄で、まあるい顔をしたおじさんが

やはるお店やったんやけれど

 

そのお店の端っこに、小さい<揚げもん>のコーナーがあって

そこで、おばあちゃんが、揚げてくれはる、コロッケが、

ほんまに、美味しい!! 味やって。。。

 

塾に行きしなに、いつも、ウエジンさんに寄っては、

コロッケをひとつ揚げてもろて、茶色い紙袋に入れてもろては

友達と歩きながら、食べたもんでした。

 

残念なことに、最高のコロッケを揚げてくれはった

おばあちゃんだけやのうて、おじさんも、おばさんも、

そして、同級生やったぶーちゃんも、なんでやしらん

大急ぎで、鬼籍に入ってしまわはったので、

 

今お店の前を通っても、、閉まったシャッターの上にある

傾いた<ウエジン>の看板の文字だけしか見られへん

のが、ほんまに寂しいのやけれど、

 

今でも、<どこのコロッケが美味しい?>という話になると

ウエジンさんの、あの、おばあちゃんの揚げたてのコロッケのことを

最初に、思い出します。

 

もいっかい、あの、あつあつのコロッケ、食べたいなぁ~ と

お店の前を通る時には、いつも、思います。