壬生京極商店街の中には、その昔<壬生館>と呼ばれる映画館がありまして、

その数軒隣に、小さいパン屋さんがありました。

 

京都の古いおうちの軒先で、おじいさんとおばあさんが二人で営んではったパン屋さんで、店の前にひとつ大きなショーケースがあって、そこに素朴な手作りのパンが、いろいろと並べてあるんやけど、

 

私のお気に入りは、なんというても、<オ―ション>でした。細長うて柔らかいコッペパンのようなパンのなかに、細切りキャベツと薄切りのハムがはさんであって、得も言われぬソースが、かけてあるパンが、オ―ション! たしか、1個20円やったと思うんですけど。。。

 

たとえ、ショーケースの中に、オ―ションがのうて、がっかりしているときでも、大丈夫!

 

幼い頃、大きなショーケースの上まで、まだ背丈けがのうて、一生懸命背伸びしながら、

<オ―ション、一つ下さい!>と言うと、小柄で、いつ行っても優しい笑顔で迎えてくれはるおばあちゃんが出てきてくれはって、店の奥にやはる、口数は少のうて、もの静かなおじいちゃんが、店の奥でオ―ション作ってくれはって、持ってきてくれはるのでした。

 

懐かしい、オ―ションの思い出、です。(#^^#)