<ぬばたま>をめぐるあれこれ。
数日前の写真で、<ヒオウギ>という、オレンジ色っぽい、お花を載せた
ことがあったのですが、そのヒオウギの花の種子が、<ぬばたま>と
呼ばれています。
万葉集のなかにも、<ぬばたま>を詠んだ素敵な歌があります。
ぬばたまの 黒髪変り 白けても 痛き恋には 逢ふ時ありけり
(黒髪が白くなって年老いても、 これほどまでに胸を痛める
せつない想いに 出逢うこともあるものなのですね。。。)
というとても素敵な歌です。
そして、この上の2枚の写真、どちらも<ぬばたま>なのですが、
左の青空の下の写真が、今年の藤袴と和の花展、で展示されていたもの、
そして、右の写真が、昨年秋の藤袴と和の花展で展示された<ぬばたま>です。
まったく同じ花の種なのですが、背景がちがうと、これほどにイメージが
変わるのが面白いなぁと思って、比べてみました。
青空のほうは、今年、小高い丘の上に鉢を配置されていたので、
バックに青空が映りこんで、秋の澄んだ感じが、します。
やや暗いところで、ぬばたまの玉が光ってみえるのは、
昨年、入口からほど近い、木造の、とても落ち着ける休憩処があるのですが、
その柱の隣に、鉢が配置されていたので、休憩処の屋根のすきまから
朝陽が射し込んで、<ぬばたま>を照らしたために、あのような写真になりました。
どちらも、それぞれに、好きなのですが、
万葉集に謳われた、あの切なさのイメージとしては、
右のほうの写真になるような気がします。
それにしても。。。
万葉の頃から、ひとの想いは、かわらないのだなぁ。。。とこの歌を聞いて、感じました。
この切ない想いは、その後、どうなったんでしょうね。。。。気になるところです。

