看護師という職業は、中高生にとって「たいへんそう」とう漠然としたイメージが付きまといます。

 

しかし、病院で働く仕事は看護師だけではありません。

 

そこで、前回お勧めした看護師以外の病院で働ける仕事に関して、もう少し書いていきます。

 

看護師以外の医療専門職を目指す場合、入学のしやすさ、学費、学校の多さ、就職の安定性という4つの軸で考えると、現実的な選択肢がいくつか見えてきます。

結論から言うと、「理学療法士・作業療法士」「臨床検査技師」「診療放射線技師」「言語聴覚士」「臨床工学技士」 などが、介護士以外の現実的なルートです。以下、データに基づいて整理します。

 

 

医療専門学校は入学しやすい?


「看護師よりは入学しやすいが、決して全入ではない」 というのが正確なところです。

例えば、ある医療系大学の2025年度入試結果を見ると、理学療法学科の実質倍率は2.4倍、診療放射線学科は2.9倍、救急救命学科は2.7倍でした。一方で、作業療法学科は1.1倍、言語聴覚学科も1.1倍と、学科によって難易度に大きな差があります。

つまり、人気の高い学科(診療放射線・理学療法など)は競争が激しく、比較的入りやすい学科(作業療法・言語聴覚など)もあるということです。看護師のように「新卒合格率95%超」というほど甘くはありませんが、きちんと対策すれば十分に合格圏内です。

 

 

学費はどのくらい?


医療系専門学校の学費は、初年度納入金でおおよそ120万〜180万円が相場です。3年制が多く、総額で350万〜550万円程度を見込んでおきましょう。

具体的な数字を見てみます。
ここ数年は毎年値上げが行われています。来年の情報は各学校のウェブサイトで確認してください。


理学療法士:3年制で総額300万〜500万円、4年制で400万〜600万円が目安。

診療放射線技師:初年度納入金が140万〜165万円、3年制の総額で約384万〜404万円。

臨床検査技師:初年度納入金が約125万〜160万円、総額約296万〜526万円。

言語聴覚士:1年次の学費が年間約120万〜200万円。

臨床工学技士:初年度納入金が約135万〜181万円。

国公立の養成校(短大・大学)であれば、私立の専門学校より学費を大幅に抑えられる場合もあります。また、高等教育の修学支援新制度の対象校も多く、給付型奨学金と授業料減免を受けられる可能性があります。

 

 

各都道府県に十分ある?


都市部には十分にありますが、地方になると選択肢は限られます。

日本理学療法士協会の会員校一覧を見ると、北海道・東北ブロックで29校、北関東・甲信越で32校、南関東で48校、東海・近畿北で44校という分布です。東京・大阪・愛知などの都市部には多くの学校がありますが、地方では「通える範囲に1〜2校しかない」というケースも珍しくありません。しかし1〜2校あるということは現実的な選択肢になりえます。

臨床検査技師や診療放射線技師の養成校は、理学療法士よりもさらに数が少ない傾向があります。地方在住の場合は、進学のために下宿や引っ越しが必要になる可能性も考慮しておきましょう。

就職は?
 

医療系専門学校の就職率は非常に高いです。 多くの学校が就職率98〜100%を達成しています。

大阪医専では、2025年3月卒業者の希望者就職率が100%を達成し、大阪大学医学部附属病院や関西医科大学附属病院などへの内定実績があります。

姫路医療専門学校では、就職率98.8%、求人病院・施設数は1,438件にのぼります。

診療放射線技師を養成する東海医療技術専門学校では、過去5年以上就職率100%を維持しています。

医療系の国家資格は全国どこでも通用するため、転職にも困りにくいのが大きな強みです。病院だけでなく、クリニック、検査センター、企業、行政など、活躍の場も広がっています。

介護士以外で目指すなら
職種・入学難易度・学費の目安(総額)・就職の安定性 の順番に書いていきます。


理学療法士・中〜高(倍率2〜4倍)・300万〜600万円・非常に高い
作業療法士・比較的低い(倍率1〜2倍)・300万〜500万円・非常に高い
診療放射線技師・高め(倍率2〜3倍)・380万〜600万円・非常に高い
臨床検査技師・中程度・300万〜520万円・非常に高い
言語聴覚士・比較的低い・300万〜500万円・非常に高い
臨床工学技士・中程度・350万〜550万円・非常に高い
 

「入学しやすさ」を優先するなら作業療法士や言語聴覚士、「給与や専門性の高さ」を優先するなら診療放射線技師や理学療法士が候補になります。いずれも看護師ほど難しくなく、介護士より給与・安定性で有利な選択肢です。

まずは興味のある職種の学校に資料請求やオープンキャンパスを申し込んで、実際の学費や入試制度を確認してみてください。

 

大学に行かない選択肢は就職が大変とか、収入が安いというイメージがありますが、専門職はお勧めなのです。