IB利用入試で直面する筆記試験「基礎学力」を確認するための試験の内容とは

 

国際バカロレア(IBDP)を活用した大学入試では、「共通テスト不要」 という大きなメリットが注目されがちです。しかし、だからといって試験がないわけではなく、大学や学部によっては「基礎学力」を確認するための筆記試験を課す場合があります。

この筆記試験の内容と対策は、想像以上に複雑で、多くのIB生を悩ませるポイントです。今回は、IB入試における筆記試験の実態と、効果的な対策方法について、具体的に解説していきます。

① 筆記試験は「基礎学力」を測るが、共通テストとは別物
国立大学のIB入試で筆記試験が課される場合、その目的は「その学部で学ぶために必要な基礎学力を持っているか」を確認することにあります。しかし、この「基礎学力」という言葉に惑わされてはいけません。

その内容は、大学入学共通テストのような広範囲な知識を問うペーパーテストとは、根本的に異なるのです。

 

まず、主な目的についてです。IB入試の筆記試験は、志望する学部で学んでいくために必要とされる、特定の分野における基礎学力を確認することに重点が置かれています。これに対し、共通テストは、高等学校で学んだ広範な知識や技能が、どの程度身についているかを総合的に評価することを目的としています。

次に、試験範囲の違いも明確です。IB入試の筆記試験は、志望学部に関連する科目に絞って出題されることがほとんどです。例えば、工学部志望であれば数学か物理、医学部志望であれば数学の特定分野、といった具合です。一方、共通テストでは、6~7教科、8科目に及ぶ非常に広い範囲から出題され、すべての科目で一定以上の得点を求められます。

出題傾向も一線を画します。IB入試の筆記試験では、単なる知識の再現ではなく、IBDPで培われた思考力や論理的表現力が問われる問題が多く見られます。これに対し、共通テストは、知識の定着度や計算処理の正確さ・速さも評価の対象となります。

 

 

つまり、IB入試の筆記試験は「深く絞った学力」を、共通テストは「広く浅くない総合力」を測るものと捉えると、両者の性格の違いがよくおわかりいただけるでしょう。

 

しかし、

② 大学によって試験内容は千差万別

です。


筆記試験の有無や内容は大学によって大きく異なり、統一されたものはありません。まず、筆記試験そのものを実施しない大学も多く存在します。つまり書類審査と面接だけです。面接すらない大学学部もあります。

一方、筆記試験を実施する大学でも、その内容は多様です。

 

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東北大学の特別選抜(IB枠)では、書類審査・面接に加えて筆記試験が課されます。
大阪大学の帰国生徒入試などでは、学部ごとに小論文・面接・口頭試問が行われ、内容は多岐にわたります。

広島大学の「光り輝き入試(国際バカロレア型)」でも、学部によっては筆記試験や小論文が課される場合があります。

このように、「IB入試=面接と書類選考だけ」という単純な図式は成り立たないことを、まずは認識しておく必要があります。

③ 最大の難関:過去問が公表されていない


ここで、IB生にとって最も頭を悩ませる問題が浮上します。それは、多くの大学がIB入試の過去問題を公表していないという現実です。

例えば、関西大学の2026年度IB入試では、経済学部において志願者がいなかったため、問題自体が作成されていなかったというケースも報告されています。このように、受験者数が少ない入試方式では、過去問がそもそも存在しない、または非公開であることが珍しくありません。

過去問がないということは、試験の形式、難易度、出題傾向を事前に掴むことが非常に困難であることを意味します。これは、対策を立てる上で大きなハードルとなります。

過去問がある場合でも、実際にそれを解いてみて100点満点中の50点程度であれば十分です。受験してみましょう。50点で不合格になるという確かな情報がある場合は考えなおせばよいでしょう。情報がない場合は50点でも面接や書類審査に合否がゆだねられる可能性があり、受験してみる価値は十分です。たった50点では合格できないと萎縮しがちですが、そこは励ましが重要です。

 

 

④ それでも対策は必要

 

では、過去問がない中で、どのように対策を進めればよいのでしょうか。

ここで重要になるのが、「大学入学共通テスト」レベルの問題を解くことです。結局ここにたどり着くという矛盾です。

先述の通り、IB入試の筆記試験は共通テストとは別物ですが、「基礎学力」を問うという点では、根底にある学力のベースは共通しています。それは募集要項の筆記試験の説明文とも一致します。

 

次回に続きます。