引き続き模擬国連の話しです。


香港とシンガポールにおける模擬国連(MUN) インターナショナルスクールと現地校の活動
 

アジア有数の国際教育ハブである香港とシンガポール。両都市とも、模擬国連(Model United Nations, MUN)活動が非常に盛んであり、インターナショナルスクールだけでなく現地のローカルスクール(現地の学校)も積極的に参加しています。それぞれの都市には独自の特色があり、その活動スタイルも興味深い違いを見せています。

 

 

香港:百花繚乱の「会議都市」

香港の模擬国連活動は、会議数が多く、規模が大きく、参加校の範囲が非常に広いことが最大の特徴です。インターナショナルスクールとローカルスクールの垣根が低く、学生たちが同じプラットフォームで切磋琢磨しています。

インターナショナルスクールの積極的関与
 

香港のインターナショナルスクールは、単なる参加者にとどまらず、多くの大規模会議を主催する立場にもなっています。

香港インターナショナルスクール(HKIS) は、自校主催の「HKISMUN(香港インターナショナルスクール模擬国連会議)」を定期的に開催し、多くの学校が参加しています。

 

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比較的新しいインター校のノードアングリア・インターナショナルスクール も独自の模擬国連会議を主催しており、生徒たちは運営側としても経験を積んでいます。

ハロウ・インターナショナルスクール は、通常の活動に加えて、サマーキャンプの中に模擬国連プログラムを組み込むなど、幅広いアプローチで活動を展開しています。

ローカル校の強力な存在感

 

聖若瑟書院(SJCMUN)
香港の模擬国連活動において特筆すべきは、ローカルスクールが主催する会議の規模の大きさです。その代表格が、聖若瑟書院(St. Joseph's College) が主催する「SJCMUN」です。

この会議は香港のセカンダリースクールで最大規模の模擬国連大会とされ、例えば第2回大会には80校以上の地元校・インターナショナルスクールから500名以上の生徒が参加しました。さらに注目すべきは、この会議が単なる議論の場にとどまらず、学生主導のチャリティプロジェクトも併設されている点です。模擬国連で議論した内容を、実際の社会貢献活動に結びつける、まさに「学びを行動に移す」姿勢が反映されています。

 

 

インター校とローカル校の融合


香港の模擬国連の魅力は、インターナショナルスクールとローカルスクールが頻繁に交流し、互いに学び合う環境にあります。

香港城市大学(City University of Hong Kong) などが教育機関と共同開催する会議には、香港、中国本土、イギリス、シンガポール、フィリピンから77校、200名以上の学生が集結します。

地元の名門校である真光中学校(The True Light School) の生徒たちは、香港浸会大学や香港理工大学が主催する大学生レベルの会議にも積極的に参加しています。さらに、同校は2026年4月に自校で初の模擬国連会議「TLHKMUN I」を主催するまでに成長しており、参加校から運営校へとステップアップする好例となっています。

華仁書院(Wah Yan College) もまた、積極的に外部会議に参加するだけでなく、自ら会議を主催するなど、香港模擬国連界を支える重要な存在です。

 

 

このように香港では、インターナショナルスクールとローカルスクールの間の「壁」が非常に低く、学生たちは多様なバックグラウンドを持つ仲間とリアルな国際交渉を体験できる環境が整っています。

 

これは英語能力だけの問題ではなく、学校が生徒に対して、すぐれた課外活動のチャンスを積極的に提供することの一環です。

シンガポール:体系化された「外交官の揺りかご」
 

シンガポールの模擬国連活動は、組織性、体系性、そして独自のローカル色が強いことが特徴です。インターナショナルスクールのグローバルネットワークと、現地校の長い歴史と革新性が融合した、独特のエコシステムが形成されています。

インターナショナルスクールのグローバルネットワーク
 

シンガポールのインターナショナルスクールは、本校や他国キャンパスとのネットワークを活用した独自の会議を開催しています。

ノースロンドン・カレッジ・スクール(NLCS) は、中学校(セカンダリースクール)の段階から模擬国連チームを立ち上げ、ロンドン本校、済州島校、ドバイ校、神戸校などのグローバルキャンパスを集めた初の国際模擬国連会議を主催しました。これは単なる校内活動を超えた、国際的なネットワークを活かした先進的な取り組みです。

 

インター校への転校の落とし穴 失敗例と成功のために

 

タングリン・トラスト・スクール(Tanglin Trust School) が主催する「TMUN25」には、シンガポールとマレーシアの20校から500名以上の生徒が参加する大規模会議に成長しています。

UWCSEA(東南アジア統合学校) は、東南アジア最大級の模擬国連会議を主催しており、特に11歳から14歳の若い世代を対象としたプログラムも提供しています。

ローカル校の革新性 バイリンガルMUNの誕生

シンガポールのローカルスクールの模擬国連活動は、その歴史と革新性において特筆すべきものがあります。中でも最もユニークなのが、南洋女子中学校(Nanyang Girls' High School) が主催する「BYMUN(バイリンガル模擬国連)」です。

 

ここに重要なヒントがありますが、それは続きへ。