IBDPと国立大学医学部医学科
「入れればいい」という考え方の落とし穴 の続き部分です。
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本稿では、IBDPと国立大学医学部受験の現実を、データと実例を交えながら冷静に解説します。
国医の現実:IBDPの得点だけでは足りない
まず、国立大学医学部医学科のIBDP要件を改めて確認しましょう。
多くの国立大学医学部では、IBDP最終得点の足切りが設定されています。
👇学校でイジメの原因にもなるチックをコントロールするということ
広島大学・岡山大学・東北大学・筑波大学・鹿児島大学:38点~40点の足切り得点設定
横浜市立大学:40点以上を必須とするケースも
ある国医では日本でもっとも低い36点設定があります。
これは、足切り点ですから、条件付き合格が受けられても、最終得点がその点数以下の場合は自動的に不合格になります。
この得点設定。これはつまり、IBDP全体の平均点(約30点前後)より明らかに高い得点が求められることを意味します。単にディプロマを取得する(24点)レベルでは、足切りすら通過できません。
しかし、得点が高いことだけが合格の条件ではない。ここが最も重要なポイントです。
まず、得点の再現性の低さは毎年話題になります。年度によって得点の出やすさ・出にくさがあります。また、記述式の採点となる言語では、採点者のムラがかなり多くあり、それは再採点申請を行っても、内部的な不条理から適切な点数が取れないことがあります。(IBDPの不都合の話しで以前書きました)
👇国際バカロレアを考える時は、まずはここから。
採取得点、それ以上に、合格者の多くは課外活動実績」として、非常に優れたものを持っています。
具体的には
長期にわたる自主的な研究活動(科学オリンピック入賞レベルに評価)
地域や国際的なボランティア活動の継続と実績(実績がともないます)
学会発表や論文執筆にまで至る探究プロジェクト(探究というより研究です)
リーダーシップを発揮した学校内外のプロジェクト運営(文化祭レベルではありません)
さらに、自主的な文化活動やスポーツもあります。
これらの活動は、単に「やった」では評価されません。「なぜその活動を選んだか」「どのように継続したか」「そこから何を学び、どう成長したか」 というストーリーが問われるのですが、それが完璧に準備されています。また、その証拠となる新聞記事や、実績が残っています。
知られざる現実:合格者の課外活動は“尋常ではない”
実際に国立大学医学部に合格したIBDP生の経歴を調べると―個人が特定されるため具体的な内容は書けませんが―その活動内容に驚かされることが少なくありません。
例えば
大学院生レベルの生命科学に関する研究を、大学の教授メンターと連携して行っている
国内や国際的な科学コンテストで入賞し、その研究・プレゼン・論文は入試担当の大学教授が読んでも納得できるレベル
医療ボランティアを継続的に実施し、その経験をエッセイにまとめ、募金活動の集計金額は驚く金額
地域の医療問題をテーマに、自治体と協働で調査・提言を行い、実際に改善されている
👇インター校を考えるときに読む本。合格する方法まで。
こうした活動は、「成績が良いから医学科へ」という動機だけでは到底成し遂げられません。
本人が医学や生命科学、あるいは社会的課題に対して、強い好奇心と使命感を持っているからこそ、自然と行動し、結果を得てそれを提示できるのです。
つまり、合格者は「医学部に入るために活動した」のではなく、「自分の興味を追求した結果、医学部にふさわしい人材として評価された」 のです。
なぜ「医学部に入れたいからIBDP」は危険なのか
ここまで読んで、もうお気づきかもしれません。
「子どもを国立大学医学部に入れたいからIBDPを選ぶ」という親の思惑は、大きなリスクをはらんでいます。
その理由は主に3つあります。
理由① IBDP生は“自分で進路を決める”意識が強い
IBDPは、自己主導型の学びを重視するプログラムです。特にコア科目のTOK(知識の理論) やEE(課題論文) 、CAS(創造性・活動・奉仕) は、生徒に「自分は何に関心があるのか」「どう生きるのか」 という根本的な問いを投げかけます。
その結果、IBDPをやり遂げた生徒の多くは、親が決めた進路に素直に従うタイプではありません。自分の興味や適性を明確に認識し、それに基づいて進路を選択しようとします。
👇受験する生徒に向けた記事です。
「医学部に行け」と言われても、本人が理工学や国際関係、あるいは芸術に情熱を持っていれば、素直に従うことはないでしょう。
理由② 医学部志望が決まっても、“その活動”は一筋縄ではいかない
仮に本人が医学部を志望したとします。しかし、国医に合格するための課外活動は、簡単にできるものではありません。
研究テーマをどう設定するか
どのように大学や研究室と連携するか
どのような実績をいつまでに作るか
それをエッセイや面接でどう語るか
これらはすべて、本人の主体的な行動力と、それを支える適切な指導・環境がなければ実現できないものです。特に研究活動は、単独で始めるにはハードルが高く、学校の先生や大学の研究者との連携が不可欠です。
理由③ 「得点さえ取れれば」という発想自体がIBの本質に反する
IBDPの最終得点は、確かに大学出願の重要な要素です。しかし、IBの本質は「点数を取ること」ではありません。
IBが目指すのは、「探究心を持ち、批判的に考え、国際的な視野で行動できる人間」 の育成です。そのプロセスで培われる思考力・行動力・人間力こそが、大学評価の対象となります。
👇唯一のまとめ。絶対にあきらめない。日本の大学受験は難解。
得点だけを追いかけ、課外活動を「こなすだけ」のものにしてしまったら、IBDPを選んだ意味が半減してしまいます。
そもそも、点数だけにこだわるのであれば、普通科で特進コースなどに進学し、一般入試を選択すべきです。点数で合否が決まるため、非常に分かりやすいです。その場合は推薦も獲得できる可能性もあります。
どうすればいいのか:親ができること、子がすべきこと
では、IBDP生が国立大学医学部医学科目指す場合、どのような姿勢で臨むべきなのでしょうか。
保護者の方へ
以下、次回へ続きます。
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