自己紹介ビデオ(自己PR動画)完全ガイド
~大学受験で差をつける一枚の動画~
今回は、最近の大学入試で注目を集めている「自己紹介ビデオ(自己PR動画)」についてお話しします。
通常、先行してnoteメンバーシップ記事に掲載しますが、この時期ということもあり、ご質問をいただきましたので、アメブロ無料記事で同時に掲載します。
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なぜ今、自己PR動画なのか?
数年前から総合型選抜と学校推薦型選抜において多くの大学が面接に代わるあるいは面接前に受験生の人柄を知る手段として、自己PR動画の提出を導入し始めています。
自己PR動画が大学入試で注目をれるようになった背景には、いくつかの大きな流れがあります。
1. デジタル社会に対応した「新しい表現力」の評価
従来の入試では、学力試験や小論文・志望理由書といった「文章」での評価が中心でした。しかし、デジタル技術が急速に発展する現代において、大学は「デジタルメディアを活用した表現力」を備えた人材を求めるようになっています。
特に、日本経済大学が2022年度の総合型選抜で全国に先駆けて自己PR動画を導入したのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成を大学全体で推進していたことが大きな理由でした。同大学ではデジタル・ビジネスデザインコースの新設や全学でのAI・データサイエンス教育を実施しており、その流れで「ニューノーマルな時代に合わせた入試」として自己PR動画を導入したのです。
つまり、動画制作という行為そのものが、これからの社会に求められる「情報を発信する力」を評価する手段として位置づけられたのです。動画作りはもはや特別なスキルではなく、広く身に付けるべき一般的な能力として浸透しつつあります。
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2. コロナ禍が加速させたオンライン化と入試の多様化
もう一つの大きな要因は、新型コロナウイルス感染症の流行です。
対面での面接が困難になったことで、多くの大学がオンライン入試を導入せざるを得なくなりました。その一環として、面接の代替手段や書類選考を補完する方法として自己PR動画が急速に広まりました。実際、日本経済大学では2022年度の入試で受験者の約3割がオンラインで受験し、県外からの移動負担や費用が軽減されたという声が寄せられています。
このように、コロナ禍という非常事態が、入試方法の多様化を一気に加速させるきっかけとなったのです。
3. 文章評価の限界と「本当の学生」を知りたい大学のニーズ
従来の志望理由書や小論文だけでは、受験生の「人となり」を十分に把握することが難しいという課題が以前からありました。そもそも学校の専任スタッフが手直しをする、塾が添削するとうことが日常的に行われ、本人の姿とはかけ離れたものになっていきました。よほどひどい内容の物でなければ、生徒自身が手助けなく書いたものかの文章の真正性を見極めることは不可能です。入学審査官は「これは本当に本人の言葉なのか」と判断しづらくなっています。こうした状況を受け、大学側は「書類の背後にある本当の姿を見せる機会」として動画に注目するようになりました。
動画であれば、表情、声のトーン、話し方、身振り手振りなど、文章だけでは伝わらない「その人らしさ」が自然と現れます。審査官は書類以外の方法で優秀な学生を評価できるようになり、受験生にとっても自分をより多角的にアピールする手段となっています。もちろんその練習を塾などで行う生徒は多くいますが、それでもその練習を行うことで本人にはスキルが身に付きます。代筆ではスキルは一切つきません。
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4. 大学入試における自己PR動画の現状
このような背景から、自己PR動画の導入は広がりを見せています。電気通信大学では2025年度の総合型選抜で自己PR動画の提出を必須としており、具体的な提出手順を公開しています
専修大学ネットワーク情報学部では総合型選抜の出願書類の一部として3分間の自己推薦動画を求めています
近畿大学情報学部ではYouTubeに自己PR動画をアップロードし、URLを提出する方式を採用しています
海外の大学(ブラウン大学、デューク大学、バンダービルト大学など)でも動画自己紹介が補足資料として広く受け入れられており、ブラウン大学では合格者の84%が動画を提出したというデータもあります
このように、自己PR動画は単なる「流行」ではなく、デジタル社会の到来、コロナ禍によるオンライン化の加速、そして文章評価の限界という三つの大きな潮流が重なった結果として、大学入試に定着しつつある新しい評価方法なのです。
もちろん、動画撮影し、アップロードするという基本的ITスキルがあるかどうかを見ることもできますし、それは大学入学以後即座に必要になるスキルです。
自己PR動画で大学が見ているポイント
動画だからこそ伝わるものがあります。大学側は以下の点を重視しています。
受験生の人柄や雰囲気 – 表情、声のトーン、話すスピードから「どんな人か」を判断します。話す事に慣れているか、服装や背景など、常識と逸脱していないか、指定内容を理解しているか。
わかりやすく伝える力 – 限られた時間で自分の強みを整理して話せるか、自分で自分のことをきちんと話せるか。
大学とのマッチング – アドミッションポリシーと受験生の価値観が合致しているか。つまり、話す内容がアドミッションポリシーを理解した内容か。
大学の審査官が動画で見ているのは、大きく分けて以下の3点です。
1. 受験生の人柄や雰囲気(非言語コミュニケーション)
動画だからこそ伝わるのが「人となり」です。大学側は話す内容そのものよりも先に、「この人はどんな人なのか」 を判断しています。
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具体的に見られているポイント
表情(笑顔があるか、カメラ目線か)
声のトーン(明るくハキハキしているか)
話すスピードと間の取り方(落ち着いているか、聞き取りやすいか)
姿勢や身振り手振り(自信を持って話せているか)
服装・背景(髪型、服装、映り込む物・背景に清潔感があり、常識の範囲内か)
採用調査では93.8%の企業が「人柄を重視する」と回答しており、大学も同様です。動画では「一緒に学びたいと思える人か」 という印象が瞬時に伝わります。
▶ 良い例と悪い例
具体例
OK例 笑顔でカメラを見て、ゆっくりとした明るい口調で話す。背景は整頓された部屋や指定通りの場所。服装は襟のあるシャツなど清潔感のあるもの。
NG例 うつむきがちで声が小さく、早口でまくし立てる。背景が散らかっている、部屋が暗い。派手な服装や寝間着のような格好。カメラのフレームからはみ出している。髪型の乱れ、髭など清潔感がない。
2. わかりやすく伝える力(コミュニケーション能力)
大学が見ているのは「どれだけ話せるか」ではなく、「限られた時間でどれだけわかりやすく伝えられるか」 です。もちろん学校教員や塾の手助けで内容は大きく改善できます。
評価される普通の構成の例
結論(自分の強みは何か)→ 理由(なぜそれが強みなのか)→ 具体例(どのような経験をしたか)
ダラダラと情報を詰め込むのではなく、ポイントを絞って論理的に話せているかが重視されます。
▶ 良い例と悪い例
具体例
OK例 残念ながら書けません。大学・学部によって異なります。その時々で違います。良い例を書いて、それに沿った内容を仕上げても、それで不合格になることがあります。悪い例でなければ良い例になります。
NG例 「私の強みは計画力を活かした実行力です。高校2年の文化祭で、30人規模の企画を…」「私は真面目で努力家です。高校では部活を頑張りました。あと委員会活動もやっていて…」と、具体性がなく、ありきたりで、時系列が不足し、気持ちが伝わらない。
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3. 大学とのマッチング(アドミッションポリシーの理解)
最も重要なポイントです。アドミッションポリシー(大学が求める学生像)と自分の経験や価値観をどう結びつけているかが合否を分けます。
アドミッションポリシーとは大学からの「求人票」のようなものです。これとズレた自己PRは、内容が素晴らしくても評価されません。
▶ 良い例と悪い例(架空の大学を想定)
<ケース:A大学 経済学部のアドミッションポリシーが「地域課題を主体的に解決できる人材」の場合>
具体例
OK例 「A大学経済学部が掲げる『地域課題を主体的に解決できる人材』という方針にこれだと感じました。私は高校で地元商店街の活性化プロジェクトに参加し、高齢化で閉店が相次ぐ問題を解決するため、SNSを使った若者向け情報発信に協力しました。その結果、20代の来店客数が前年比で倍増しました。この経験から、まさにA大学が求める『現場で課題を見つけ、自ら動ける人間』が自分の目標とする姿だと考えています」のように、大学の求める人物像と自分の経験を明確にリンクさせている。
具体例では実際の内容を書くことができませんが、言いたいことは1つです。勝手に話すのではなく、必要なことを整理し、まとめてそれを伝えることです。大げさに言ってはいけません。確認できる事実を伝えます。無理して大きく見せない事。小さな些細なことでも感情をもって伝えること。生徒ができることなんてたかがしれています。本当に大きなすごいことをする生徒はほんの少数です。みんなは自分ができたことに自信をもって、それをきちんと伝えることが重要です。
NG例 「私は経済に興味があります。将来は地域に貢献できる仕事がしたいです。A大学はレベルの高い大学だと聞いて志望しました」と、アドミッションポリシーに一切触れず、具体経験もなく、なぜその大学なのかが伝わらない。大学なんてどこでも良いと思っているみたい。
最重要ポイント:アドミッションポリシーを必ず入れる
これだけは絶対に忘れないでください。
アドミッションポリシーとは、大学が「どのような学生に入学してほしいか」を示した方針のことです。いわば大学からの「求人票」のようなものです。
アドミッションポリシーとずれた自己PRは、たとえ内容が素晴らしくても評価されません。大学側は「この学生は私たちの求める人物像に合致しているか」を見極めたいのです。
アドミッションポリシーの活かし方
1.まず大学の公式サイトでアドミッションポリシーを徹底的に読む
2.キーワードを抜き出す – 「主体的」「協働」「創造性」など、大学が重視する言葉をピックアップ
3.自分の経験と重ねる – キーワードに合致する自分のエピソードを探す
4.「大学が求める人物像」と「自分」が交差する部分を動画の軸にする
自己PR動画の作り方(ステップバイステップ)
Step 1:構成を考える(PREP法がおすすめ)
P(Point) :結論=自分の強みや伝えたいことを最初に一言で
R(Reason) :理由=なぜそれが強みなのか
E(Example) :具体例=実際のエピソード
P(Point) :結論=再度まとめ+大学でどう活かすか
この構成で話せば、聞き手に伝わりやすくなります。
Step 2:台本(スクリプト)を作る
理想的な流れ(原則は、絶対に募集要項の指定にしたがうこと)
1.挨拶と自己紹介(名前、高校名)
2.アドミッションポリシーに具体的に・それとなく触れる
3.自分の強みや経験を具体的なエピソードを交えて
4.大学で何を学びたいか・どう活かすか・目標はなにか
5.締めの挨拶(第一志望の大学と伝わるかどうかが重要)
時間の目安:多くの大学が2〜3分を指定しています。タイマーで時間を測って。早口になりすぎないように。時間があまりすぎないように。
Step 3:練習する
鏡の前で練習し、表情や口元をチェック
スマホで撮影して客観的に確認
タイムを計測して時間内に収まるか確認
親や先生、友達とも協力し、かならず他の人の意見を取り入れること
Step 4:撮影する
撮影のコツ
三脚やスタンドを使用して手ブレを防ぐ(100円程度から手に入ります)
明るい場所で撮影(日中・自然光がベスト)場所指定があるかも確認
背景はシンプルに(派手な背景は避ける)背景の選択も個性がでます
カメラ目線(目線が泳ぐと印象が悪い)いったん撮影し、確認すること
服装は清潔感のあるもの(指定を読んで、制服でも私服でも派手すぎない)
声の大きさに注意(小さすぎず、大きすぎず)撮影し、確認するときは撮影したもの以外のパソコンで
※座って、パソコンやスマホを見るとうつむき加減になります。カメラは正面の顔の高さにあることが印象をよく見せるコツです。
Step 5:提出する
各大学の指定する方法に従って提出しましょう。指定先にアップロードや、メモリに保存して提出するケースなどがあります。期日ギリギリにならないように。
やってはいけないNGポイント
❌ アドミッションポリシーを無視する – これが最大のNGです!
❌ 暗記した棒読み – 自然な話し方を心がけましょう。記憶して。
❌ エピソードを詰め込みすぎ – 1〜2個のエピソードに絞る
❌ 嘘や誇張 – 後で面接でボロが出ます。一発不合格になります。
❌ 専門用語だらけ – 誰にでも伝わる言葉を選ぶ
❌ 音声が聞き取りにくい – 音量や発音に注意
❌ 結論が不明瞭 – 「何が言いたいのか」が伝わらないと不合格
最後に
自己PR動画は、「自分自身をどう表現するか」が問われる新しい形の試験です。文章では伝わらないあなたの熱意や人柄を伝える絶好のチャンスでもあります。
アドミッションポリシーを徹底的に研究し、自分なりの言葉で「なぜこの大学でなければならないのか」を伝えられる動画を作ってください。何度も撮り直して、自分が納得できる一本を仕上げましょう。
👇キンドル本各種です。





