IB利用入試で直面する筆記試験「基礎学力」を確認するための試験の内容とは
の連載中です。
今日はその5です。最終話です。
⑥ その前に、重要なことを確認しましょう
募集要項に入試項目の配点基準が書いてありますが、これに注目しましょう。
書類審査・面接・筆記試験・英語試験と4種類の項目にたいしてそれぞれ100点、合計400点として審査される場合、筆記試験での得点は他の得点で挽回できます。
一方、書類審査・筆記試験の配点が100点づつ、合計200点で、面接は参考となっている場合、筆記試験は重要です。
この配点基準で筆記試験の重要性がわかります。割合が低い場合は、低得点でも合格できる可能性が高くあります。これは、筆記試験だけに限りません。
国際系学部を受験する場合、英語の試験以外に日本語での小論文が課されることがあります。日本語で小論文をかきなれていない海外生(帰国生)の場合、尻込みしがちですが、配点の割合が低い場合はそれほどきにせず、何本か小論文を練習し、その練習内容に持っていけるようにすることで十分対策がとれます。
配点が高いとそれでは不十分でしょう。徹底的に日本語を書いて書いて書いて。
⑦ そもそも受験する大学学部を変更する
記試験や小論文の対策が重要であることは言うまでもありません。しかし、ここで一度、冷静にご自身の「武器」と「時間」を見つめ直してください。共通テスト対策を一切行っていない海外在住経験の長いIB生にとって、膨大な日本型の筆記試験対策にリソースを割くことは、必ずしも最適解ではありません。
むしろ、「自分の強みが最大限評価される入試形式」を選択することこそ、合格への最短ルートです。試験対策は「能力を上げる」ことだけが能ではありません。「能力が最も輝く土俵を選ぶ」ことも、成熟した受験戦略の根幹をなします。
具体的には、筆記試験を必須としない帰国生向けの総合型選抜や推薦入試に主軸を置くことを真剣に検討すべきです。これらの入試は、IBDPで培った「探究心」「批判的思考力」「国際的な視野」を、書類(エッセイ・アクティビティ記録)と面接で総合的に評価してくれるものが多く、ペーパーテストよりも「人間性」や「学びへの姿勢」が問われます。
国外の教育機関からの自己推薦・学校長推薦を受け付けている大学もあります。募集要項を「読む」のではなく「徹底的に調べる」つもりで精査すれば、書類審査と面接のみで合否が決まる学部やコースが見つかることでしょう。
また、「面接はIB生なら対策不要」という声もありますが、それは大きな過信です。確かに、ディスカッションやプレゼンテーションに慣れている点は強みですが、日本の大学面接では「過去2〜3年の自身の成長を日本語で体系的に語る力」が厳しく問われます。エピソードを時系列で整理し、そこから何を学び、大学でどう活かすかを論理構成する練習は、絶対に欠かさないでください。この準備があってはじめて、IBでの経験値が面接官に正しく伝わる「武器」へと変わるのです。
そして、最も現実的かつ重要な視点は、「確実に合格できるセーフティネット校」と「志望度の高いチャレンジ校」を明確にすることです。学力・日本語力・英語力のバランスを冷静に分析し、自分のメリットが最大限に生きる試験内容の学部を「主力」と定め、一方で不合格リスクを負える範囲で上位校に「並行」して挑む。この二段構えの戦略なくして、多様化するIB入試を勝ち抜くことはできません。
受験は長期戦であり、精神的な消耗も激しいものです。しかし、「合格できないリスク」を過小評価し、無謀な受験に賭けるのは賢明とは言えません。自分のバックグラウンドを過小評価も過大評価もせず、「どこで勝負するか」を戦略的に選び抜く覚悟を持ってください。その選択が、最終的にあなたの努力を最大限に報いてくれるはずです。
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