中高生のコミュニケーションスキルと「議論・主張」の深い関係
そしてそれは大学入試にもつながる
皆さんは、「コミュニケーションスキル」と聞いて、何を思い浮かべますか?
「相手の話をきちんと聞くこと」「自分の気持ちを正しく伝えること」「あいさつができること」こうしたイメージが一般的でしょう。そして、それらは間違いなく大切なスキルです。
しかし、中高生の皆さんに必要なコミュニケーションスキルは、それだけではありません。 むしろ、次のフェーズに進むべき時期なのです。
年齢に応じた「教え方」の違い
コミュニケーションスキルは、年齢によって教え方が大きく異なります。
幼稚園・小学校低学年の時期は、まさに「教える」フェーズです。
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「人の話を最後まで聞こう」
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「順番を守って話そう」
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「大きな声で、はっきりと話そう」
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「ありがとう、ごめんなさいを言おう」
これらの基礎的なルールは、この時期に大人が丁寧に「教える」ことで身につきます。これはいわばコミュニケーションの「型」 を学ぶ段階です。一般的にはルールや決まり事、規則、マナーのようなことです。
しかし、中学生になると、この「教える」アプローチだけでは物足りなくなります。 というより、もはや効果的ではありません。
中学生以降に必要なのは「議論・主張」を学ぶこと
中高生に求められるコミュニケーションスキルは、「自分の考えを持ち、それを論理的に他者に伝え、異なる意見とぶつけ合いながら、より良い答えを導き出す力」 です。
これを私は「議論・主張する力」 と呼んでいます。
具体的には、以下のような力です。
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自分の意見を「理由」とともに主張できる
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他者の意見を批判的に聞き、自分の考えと比較できる
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反論に対して、感情的にならずに論理的に対応できる
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合意形成のために、譲歩すべき点と譲れない点を区別できる
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複数の立場や視点を考慮した上で、自分の見解を再構築できる
これらは、「教えてもらう」というより「実践の中で磨く」 スキルです。ディベートやディスカッション、グループワーク、プレゼンテーションといった活動を通じて、失敗を重ねながら徐々に身につけていくものです。
国際バカロレアカリキュラム(MYP)の学校では、これがカリキュラムの一部となっています。また、通常インターナショナルスクールの中高一貫校でもこれらの学習・練習が授業の中にあります。それは特別な授業ではなく、各教科の中で実践して経験を重ねていきます。
↓大学受験は総合型選抜が約半数です。これで今から対策を始めて。
議論・主張する力がリーダーシップを育む
ここで重要なのは、「議論・主張する力」と「リーダーシップ」が深くつながっているという点です。
リーダーシップとは、単に「みんなを引っ張ること」ではありません。体育会系部活動のリーダーが行っていることだけがリーダーシップではありません。まず、リーダーとはどんな生徒のことでしょうか。ここで言うリーダーとは以下のような資質を持つ人です。
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明確なビジョンや意見を持っている
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それを他者にわかりやすく伝えることができる
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他者の意見に耳を傾け、自分の考えをアップデートできる柔軟性を持っている
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チームの中で最適な判断を下すために、議論をファシリテートできる
そしてこれらはすべて、「議論・主張する力」を土台にしています。
つまり、中高生のうちに「議論・主張」を積極的に経験することは、将来リーダーとして活躍するための基礎を鍛えることと同じなのです。
そして、それは大学入試に直結する
ここで、中高生の皆さんに特に伝えたいのは、この「議論・主張する力」が大学入試において極めて重要だということです。
近年の大学入試は、大きく変化しています。
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小論文試験では、与えられたテーマに対して自分の意見を論理的に構成し、根拠を示しながら主張することが求められます。
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面接試験では、自分の経験や考えを一貫性のあるストーリーとして語る力が問われます。
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グループディスカッションを導入する大学では、他者と協働しながら意見を交わす力が評価されます。
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志望理由書では、自分の興味や将来のビジョンを明確な言葉で表現する力が必要です。
総合型選抜・総合型入試においては、このスキルが重要視されています。推薦入試に選ばれる生徒はこれらのスキルが十分にあることと大学から指示がくることもあります。
これらはすべて、「議論・主張する力」 の延長線上にあります。つまり、日頃から議論や主張の練習をしている生徒は、大学入試の場面で圧倒的なアドバンテージを持つことになるのです。
↓中学入ったら、大学受験の準備を始めましょう。
今からできる具体的なアクション
では、中高生の皆さんは、この「議論・主張する力」をどうやって身につければよいのでしょうか。
1. 授業中の発言を増やす
たとえ自信がなくても、自分の考えを声に出してみましょう。間違えても構いません。そのフィードバックが成長の糧になります。
もちろん、発言できない授業もあります。何の授業なのかは学校によって変わってきますが、意見を求められる時にはきちんと意見を言う習慣が重要です。
2. ディベートやディスカッションの機会に積極的に参加する
日本の学校では授業中、クラス内での発言は、仲間外れなどのリスクがあると言われます。その為、クラブ活動、または外部のセミナーなどの場を積極的に探しましょう。最近では模擬国連部やディベート部がある学校もあります。
インターナショナルスクールではほぼ必ずこれらが行われており、校内練習の機会も多くあります。学校選抜メンバーになれば、インター校対抗のディベート大会などに出場できます。
3. 日常会話で「理由」を添える
「そう思う」だけでなく、「なぜそう思うのか」まで言う習慣をつけましょう。これが論理的思考の第一歩です。学校でできないなら家庭で練習できますね。毎日1つの社会的なニュースをもとに、家庭内で賛成・反対にわかれて議論してみましょう。
↓noteです。国際バカロレアとかインター校、帰国子女、医学部入試など、特別な話しがたくさん。更新不定期です。こちらでしか読めない話も。
4. 他者の意見を「聞く」だけでなく「問い直す」
「それってどういう意味ですか?」「なぜそう思うのですか?」と尋ねる習慣は、議論力を高める最短ルートです。友達同士では難しいですが、人の話しをしっかりと聞く習慣も大切です。
大人になるための「議論・主張」のススメ
幼い頃に「教わる」コミュニケーションは、社会のルールを学ぶための基礎です。しかし、中高生になった皆さんには、自ら考え、発言し、他者と対話しながら成長していく「主体的なコミュニケーション」 が求められています。
議論し、主張し、時には反論され、それでも自分の考えを磨き続ける。そのプロセスこそが、皆さんをリーダーへと成長させ、そして大学入試という大きな壁をも乗り越える力を与えてくれるのです。
今から始めてみませんか? 今日の授業の一コマ、友人との何気ない会話、家族との夕食のひととき——すべてが「議論・主張」の練習場です。



