IBDPの結果が出た後に知っておきたい国立大学の「もう一つの真実」


国際バカロレア(IBDP)の最終結果が発表され、一喜一憂されている生徒・保護者の皆さまも多いのではないでしょうか。IBDPの世界平均点は約30点台で推移しており、高いスコアを取れた方も、思うような結果でなかった方もいらっしゃるでしょう。

 

日本的に考えると、40点を目標にされている方が多いのが実情です。また、各日本のIBDP高校や海外進学系インター校もその得点を1つの指標としてしまいがちです。

しかし、ここで一つ、意外な事実をお伝えします。日本の国立大学の国際バカロレア入試においては、総合点がすべてではありません。 むしろ、「総合点が思ったより低くても合格できる学部・学科が存在する」というのが、多くのIB生が知らない「もう一つの真実」なのです。医学科ですら、最低基準点が36点の大学からあります。つまり、36点でも合格できるということです。

 

これは、「それは足切り点だから、もっと得点が高くないと絶対に無理」という勘違いを起こしがちですが、それは日本の偏差値教育のアイデアです。実際にこのアメブロの前回の記事で書いたように各大学で得点の高い低いにかかわらず合格者がでています。

 

 

なぜ総合点が低くても合格できるのか

 

国立大学のIB入試で注目すべきは、多くの大学・学部が「総合点での足切り」ではなく「特定の科目における条件」を重視しているという点です。

文部科学省のIBコンソーシアムが公開している資料を見ると、各大学の出願資格やスコア基準は実に多様であることがわかります。たとえば、ある国立大学では「化学で4点以上、科目全体の中で5点以上の科目が一科目以上」といった条件を設定しています。つまり、総合点が仮に30点台前半でも、特定の科目で基準を満たしていれば出願資格を得られる可能性があるのです。

さらに、筑波大学の国際バカロレア特別入試ではスコア下限の記載がなく、書類審査と面接が主な選考手段となっています。これは、「総合点が全てではない」という大学側のメッセージなのです。IBDPを卒業した生徒の大学内での実績を考慮した結果と言えます。

 

 

定員が設定されている大学・学部はある

もう一つ見逃せないポイントが、IB入試専用の定員が設定されていることです。

たとえば北海道大学では、総合入試文系に5名、総合入試理系に10名の募集人員が設けられています。東北大学の国際バカロレア入試も、文学部・理学部・医学部医学科・工学部・農学部などで「若干名」の募集を行っています。

岡山大学は、2012年度に国立大学として初めてIB入試を導入し、2015年度からは全11学部と1コースで実施するに至ったパイオニア的存在です。現在でも、岡山大学は全学部を対象に数名づつの定員設定によるIB選抜を実施しており、同様に鹿児島大学も国立大学として早期にIB入試を導入した実績を持っています。良好ともに医学科も対象です。

このように、国立大学の中でもIB入試専用の「枠」を設けている大学は多くあります。募集人員は「若干名」とされていることが多く、決して大きな数ではありませんが、チャンスがゼロではないという点で重要な意味を持ちます。また、実質合格する生徒の条件を考えると、実績がある生徒は合格しているとい分かりやすい構図になっています。この実績とは、最終得点の高低ではありません。

 

 

受験者数が「0」の学部もあるという現実

さらに驚くべきは、志望者すらいない大学・学部が多く存在するという現実です。

国立大学の国際バカロレア入試は、生徒側の認知度も十分とは言えません。その結果、せっかくIB入試の枠を設けていても、受験者がほとんどおらず、場合によっては受験者数がいないという学部も珍しくありません。

地方の国立大学では、英語ができる生徒やレポート・論文作成能力のある生徒を積極的に求めています。国際バカロレアのカリキュラムで培われた批判的思考力や探究心、アカデミック・ライティングのスキルは、まさに彼らの求める人材像に合致するのです。

つまり、都市部の超難関大学だけでなく、視野を地方の国立大学に広げることで、思わぬチャンスが眠っているということです。帰国子女・帰国生が少ない地方においては、未だ英語がかなりできる学生とういだけで全ての面でメリットがあります。

 

 

IB入試ならではの大きなメリット

ここでぜひ知っておいていただきたいのが、IB入試の大きな特徴です。一般入試と決定的に異なるのは、複数の国立大学を併願できるという点です。

IB入試は大学ごとに日程がずれているため、「まずA大学を受験し、不合格だったらB大学、さらにC大学も」という戦略が可能になります。これは一般入試では考えられない柔軟性です。

 

※各大学の最新の募集要項を熟読してください。小さく「併願不可」と書いてある大学もあります。ただし、不合格発表の後は他の大学を受験できます。受験時期・合格発表の時期を確認しましょう。

 

さらに、IBDP入試だけでなく、帰国子女入試や総合型選抜、海外学校生特別選抜など、他の名称の受験枠での受験ができることが多く、それらの他の入試方式と併願できるケースもあります。
つまり、「国際バカロレア入試枠では他の大学を受験しない」と明記されている場合は、他の入試枠での受験は可能という意味になります。

 

 

まとめ:スコアで諦める前に
 

IBDPの結果が出た今こそ、「総合点が低いから」と諦める前に、以下のポイントを再確認してみてください。

志望校の募集要項を徹底的に調べる:総合点ではなく、特定科目の条件だけで出願できる学部がないか確認する。

地方の国立大学も視野に入れる:受験者数が少ない「穴場」が存在する。

併願を積極的に活用する:複数の大学・学部にチャレンジする。

国際バカロレアで培ったあなたの能力は、決してスコアだけで測れるものではありません。国立大学のIB入試は、まさにそのことを証明する場なのです。スコアで尻込みせず、ぜひ自分に合った進路を切り拓いていってください。