インター校に入学すれば自動的に子どもは英語がぺらぺら になるわけありません。

多くの子どもは、英語環境に負け、学習意欲すらなくして帰国します。

成功例はいくらでもSNSや記事で見かけます。失敗例を話す親はいません。

 

そこで、どうすれば子どものインター校転校を成功に導けるか、中高生の海外留学を成功につなげられるかを説明しています。

 

連載はかなり長くなりますが、過去の他の連載同様に、無料掲載の後はnoteとキンドル版の有料記事になります。

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今回は、多少飛ばして、

日系塾とは何か。そして「塾のある場所」を留学先に選ぶべき理由
から話を始めます。
 

オンライン家庭教師と並んで、もう一つ絶対に知っておかなければならないのが「日系塾」の存在です。

日系塾とは?

日系塾とは、簡単に言うと海外にいながら日本のカリキュラムを日本語で学べる学習塾です。現地の日本人会や、日本の進学塾の海外支社、あるいは個人経営で運営されているところが多く、主に以下のような特徴があります。

使用する教材は日本の教科書やドリル
指導言語は日本語
対象は小学生から高校生まで
帰国後の受験を見据えた指導を行う
帰国受験対策を行える塾もある

つまり、子どもが海外にいながらにして、「日本の学校に通っているのと同じような学習体験」を得られる場所が日系塾です。

日系塾がない地区ではどうなるか?

しかし、全ての海外の街に日系塾があるわけではありません。たとえば、マレーシアのクアラルンプールやシンガポール、バンコク、上海など、日本人コミュニティが大きい都市には複数の日系塾があります。ところが、ヨーロッパの地方都市や、オーストラリアの田舎町、カナダの地方都市などでは日系塾が存在しないことも珍しくありません。

日系塾がない地区に留学する場合、親は自分で「代わりになる指導」を探さなければなりません。

具体的には、
オンラインで日本のカリキュラムを教えてくれる家庭教師を探す
オンライン進学塾(日本国内の塾が配信しているもの)に加入する
親自身が日本の教科書を教える
といった方法になります。

しかし、これらはどれも「自力でやりくりする」必要があり、日系塾に通うよりもはるかにハードルが高いのが現実です。

日本語と日本のカリキュラム維持は、想像以上に難しい

特に注意したいのは、日系塾がない環境では、子どもの日本語力と日本の学力の維持が極端に難しくなるという点です。

なぜなら、家で親がいくら教えても、「友達と競い合う」「テストで順位をつけられる」「分からないところを同じレベルの仲間に聞く」といった、集団学習の中で自然と身につくものが得られないからです。特に思春期以降の子どもは、親の指導に反発することも多く、「日本語の勉強時間」がどんどんおろそかになっていきます。

その結果、帰国したときに「国語の読解ができない」「簡単な漢字が読めない」「歴史の年号を一つも覚えていない」という状態になり、帰国生入試はおろか、普通の公立中学・高校ですら苦労することになります。

日系塾の最大のメリットは「友達ができること」

日系塾の最大の価値は、日本人生徒が集うことで自然と「仲間」ができることです。

海外のインター校では、どうしても子どもは「少数派(マイノリティ)」です。同じクラスに自分以外の日本人がいないことも。しかし日系塾に行けば、同じ悩みを持ち、同じ目標に向かって頑張っている日本人の友達に出会えます。

「うちの学校の理科の先生、説明が下手でさ…」
「うちも! でもこの塾の先生、わかりやすいよね」
「次の帰国生模試、一緒に受けに行かない?」

こうした何気ない会話が、子どもの心の安定にどれだけ効くか。勉強面でも、教え合ったり、ライバルとして競い合ったりすることで、自然とモチベーションが上がります。

一人で机に向かう孤独な勉強では決して得られない「励まし合い」が、日系塾にはあります。

「日系塾のある場所」を留学先に選ぶという考え方

このことを踏まえると、教育移住や長期留学を考える際の留学先の選び方にも、一つの指標が生まれます。

つまり、「日系塾が充実している地域を優先的に選ぶ」 という視点です。

たとえば、

マレーシア(クアラルンプール)
シンガポール
タイ(バンコク)
中国(上海、北京)
ベトナム(ホーチミン、ハノイ)
オーストラリア大都市部
カナダの大都市部

これらの都市には、複数の日系塾があり、日本人コミュニティも大きいです。その結果、「インター校に通いながら、放課後や週末に日系塾で日本語と日本のカリキュラムを学ぶ」という両立が、現実的に可能になります。

逆に、日本人が非常に少ない地域や、日系塾が存在しない地域を選ぶと、結果的に「日本語の維持」という壮大な課題を、親子だけで背負い込むことになります。それが可能なご家庭もゼロではありませんが、多くの場合は挫折します。

もう一つの選択肢:日本のカリキュラムを捨てる

ここまで、「いかに日本のカリキュラムを維持するか」という観点で書いてきました。

しかし、中には「うちの子は帰国後も海外の大学に行く予定だから、日本のカリキュラムは必要ない」と考える親御さんもいるでしょう。その場合、あえて日本のカリキュラムを捨て、完全に現地の教育システムに乗るという選択肢もあります。

その場合の進路としては、

現地の高校やインター校を卒業して、現地の大学、または他の外国の大学に進学する
インターナショナルスクール卒業資格(海外学校卒業生枠)日本の「特別入試」や「帰国生入試(ただし日本語不要のコース)」を受ける

日本の大学でも、「英語で学位が取れるプログラム(通称:英語コース)」に進む

などが考えられます。

しかし、リスクも大きい

ただし、この「日本のカリキュラムを捨てる」ルートには、いくつかの大きなリスクがあります。

 

次回に続きます。

 

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