今回はその4話です。

 

今、マレーシアの親子留学や、子どもを海外のインター校に留学させ、英語をしっかりと身に着けさせた後で、国内外の学校・大学受験を有利乗り切ろうって考えの親が増えています。

 

前回の「その3」で


「選択肢C: 問題だらけ → 留学をあきらめる

これが一番勇気がいる決断ですが、一番大切な決断です。「今はまだ早かった」と認めて、日本でもっといろんな経験を積ませる。無理に長期留学させて、紹介した5ケースのような混乱に陥るよりマシです。
ただし、あくまでも短期間の留学でした。これは語学留学プログラムのある学校や、自治体主催の海外体験留学などでもみられます。つまり、これでうまく行かなかったとしても、子どもはまだまだ成長過程です。毎年参加するなどして経験をつむ、学年があがっていくに従って大きく変化していきます。」

この中で述べた


「もっと日本でいろんな経験を積む」とはどういうことか?

今回はその内容から始めます。

 

簡単に言うと
「集団生活」「責任のある役割」「失敗とリカバリー」「長時間の集中」「他者との協働」 といった、留学先で必要になる人間力の基礎を、日本で先に育てることです。


引き続きこれに関して詳しく説明します。

留学前に日本で積んでおくべき“いろんな経験”とは?

「短期留学の結果、問題だらけなら今は長期留学をあきらめて、日本でいろんな経験を積ませるべき」と書きました。

では、その「いろんな経験」とは具体的に何でしょうか。

親御さんから「うちの子、まだ留学は早いかも…でも何をさせればいいの?」という質問をよく受けます。そこで今日は、留学前に絶対に経験させておくべき5つのことをリストアップしました。

① 集団生活(合宿・キャンプ・部活合宿など)
留学先では、ほぼ100%「他人と同じ空間で寝起きする」ことになります。ホームステイでも寮でも、自分のわがままが通じません。

日本で一度も合宿経験がない子どもが、いきなり海外の寮生活に入ると、ほぼ確実に「もう無理」となります。学校内の修学旅行ではなく、知らない人と一緒になる校外プログラムでの体験が必要です。

おすすめ:夏休みのスポーツ合宿、林間学校、または3日間程度のキャンプ。最初は親と離れて1泊2日から始めましょう。

② 責任のある役割(学級委員・部活のキャプテン・係活動)
留学先では「自分から動く力」が何より問われます。日本で「先生に言われたからやる」タイプの子は、海外で誰も指示してくれなくなった瞬間に動けなくなります。

おすすめ:学校の委員、部活のリーダー、地域のイベントスタッフなど、「大人や他の同じ年代の誰かに指示、指導される。自分で他の人を指示、指導する」経験が大切です。

 

 

③ 失敗して、自分でリカバリーする経験
日本の親御さんはつい「子どもが失敗しないように」と先回りしてしまいがちです。しかし留学先では、失敗は日常茶飯事。大事なのは「失敗した後、どう立ち直るか」です。

おすすめ:あえて子どもに任せてみる。1泊旅行の計画を立てさせる、自分で問題解決させる。「困ったら親が助ける」ではなく、「困ったら自分で考える」を習慣化させましょう。親は失敗やうまくいかない移動などを楽しむ覚悟で。

④ 集中(読書・勉強・趣味)
インター校の授業は1コマ50分程度。その間、先生はずっと英語で話し続けます。日本の50分授業でも集中が切れる子は、海外で絶望します。

おすすめ:塾に入る。博物館などの週末プログラムに参加する。

⑤ 他者との協働(トラブル解決を含む)
グループワークで意見が合わなかったとき、どうしますか? 相手を説得できますか? 自分が折れてがまんしますか? それとも不機嫌になって作業を放棄しますか?

留学先の授業は「グループで1つの成果物を出す」ことが非常に多いです。相手が日本人とは限りません。文化も考え方も違う相手と、どうやって前に進むかというスキルは日本でも訓練できます。

おすすめ:学校主催のボランティア活動、文科系部活動


これまでの5つに加えて、もう一つ非常に重要なことがあります。それは 「趣味」 です。

⑥ 趣味を持つ。好きなことを持つ。詳しいことを持つ
海外生活で当初からうまくいっている生徒には特長があります。それは、それぞれ趣味や好きな事、詳しいことがしっかりあることです。新しい土地で友達を作るとき、「共通の好きなもの」が最強の会話のきっかけになるからです。

 

 

これは重要なことです。何か一つでいいので、子どもが「これが好き!」と言えるもの、夢中になれるものを持っているかどうか。スポーツでも、ポケモンでも、マンガでも、ゲームでも、楽器でも、動物でも、宇宙でも何でも構いません。趣味があったり、継続して何か好きなことがある、非常に詳しいことがある。それは、新たな地でも同じものが好きな友達を作りやすくします。スポーツでもポケモンでもマンガでもなんでもかまいません。

もちろん、できるだけ万国共通であることが理想です。例えば、野球が好きで自分でも野球をやっている場合、野球の全くない国に行っても野球部にも参加できない、野球の会話もできないとなれば、あまり意味がありません。

今は多くの子どもがオンラインゲームをやっています。親としてはやらせたくないスマホゲームですが、ゲームを全くやっていないと海外でも友達の輪に入れないことが多くあります。半面、ゲームであればゲーム内のチャット言語は英語で、英語の勉強にもなっているということも。スマホゲームを完全に禁止することはかなりのリスクがあります。また、海外では小学生からスマホを持つことが当たり前になっています。インターナショナルスクールにはさまざまな国の子どもがいますが、スマホゲームは世界共通の言語です。

同時に、多くの男の子は自宅ではパソコンを利用してゲームをします。その為ではないですが、小学生でもパソコンは必需品です。

また、趣味がある子どもは「一人でも楽しい時間を過ごせる」という強みもあります。友達がすぐにできない初期の孤独な時期に、自分の好きなことに没頭できるかどうかは、メンタル維持に大きく影響します。

逆に、「何も好きなものがない」「暇だからスマホを見ている」という子は、新しい環境で自分から何かを始めるのが苦手です。

ですから、普段から好きなものを持つことの大切さを教え、それを温かく見守ってあげてください。

 

 

留学は「環境」ではなく準備が9割

多くの親が「留学さえさせれば何とかなる」と思いがちですが、それは大きな間違いです。

留学は、環境を与えれば勝手に育つ「温室」ではありません。むしろ、準備ができていない子を放り込むと、あっという間に心を壊す「ジャングル」です。

日本で上記の経験を積んだ子は、留学先でも「なんとかなる」感覚を持っています。逆に、何も準備しないで飛行機に乗せた子は、「ちょっとした困難」で折れます。

あなたのお子さんは、どの段階にいますか?

「うちの子、まだ早いかも…」と感じたら、ぜひ今日から小さな経験を積ませてあげてください。それが、結果的に一番の近道です。

 

 

日本人コミュニティとの距離の取り方

これまで「インター留学の失敗例」や「短期留学のすすめ」、「留学前に日本で積むべき経験」などをお伝えしてきました。

今回は、実際に海外のインターナショナルスクールに子どもを通わせる際に、多くの親が悩むテーマです。

「日本人コミュニティと、どう付き合えばいいのか?」
それを具体的に説明していきます。