同じ内容を2人で考察して記事にしました。その2本目の記事です。1本目は前日のブログ記事を読んでみてください。

 

数学が苦手な子は理系を諦めるべき?文系で数学不要の大学はある? 迷える保護者のための進路考察


「うちの子、数学が嫌いみたいで……。このまま理系に進ませても大丈夫でしょうか?」
「そもそも、文系なら数学を避けて通れる道はあるのでしょうか?」

これは多くの保護者から寄せられる切実な悩みです。結論から言えば、「数学が嫌い・苦手 = 理系進学を全面的に断念」という単純な図式は、早計である場合がほとんどです。 同時に、文系の大学入試において、数学を全く必要としない選択肢も確かに存在します。この記事では、両方の側面から、子どもの可能性を狭めない進路の考え方を探ります。

 「数学が苦手だから理系は無理」は本当か?
 

まず、最も根本的な疑問から考えてみましょう。数学への苦手意識は、理系の道を完全に閉ざすのでしょうか?

著名な生物学者である福岡教授は、朝日新聞のインタビューで明確にこう述べています。「小中学生のころに算数や数学が苦手だからといって、その人が理系に向いていないとは決していえないのですよ。」

その理由は、理系の学問や研究の世界が、私たちが受験でイメージする「数学」とは少し違う側面を持っているからです。

 

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理系 ≠ 数学だけの世界:福岡教授によれば、学問研究の世界では、数学の研究者はごく一部の「天才」的領域であり、大多数の科学者は生物学、化学、地学などの「理科」分野を研究しています。特に生物学の分野では、「微分積分に通じていなければならないといったことはありません」とまで言い切っています。

求められる能力の多様性:理系、特に生物学や地学、薬学の一部、工学デザインなどの分野では、数式を操る能力以上に、観察力、想像力、芸術的感性、事物を立体的に把握する空間認識能力などが重要になることがあります。数学の点数だけでは測れない資質が活きる場が、理系には数多くあるのです。

もちろん、大学受験という現実の壁はあります。理系学部の一般入試で数学が必須であることは事実です。しかし、ここで考えたいのは、「嫌い・苦手」の原因です。単に「計算が面倒」「公式の意味がわからない」ということであれば、適切な学習法や指導によって克服できる可能性は大いにあります。受験コンサルタントも「苦手科目を後回しにするほど、後で大きな壁となって立ちはだかる」と指摘し、早めの基礎固めの重要性を説いています。

つまり、「数学が嫌い」という気持ちだけで理系の可能性を捨てる前に、その「嫌い」の正体と、子どもが本当に興味を持っている「理系の何か」を一緒に探ることが大切なのです。

 

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現実的な選択肢:数学を必須としない文系大学入試


一方で、どうしても数学への抵抗感が強く、学習そのものに大きなストレスを感じている場合、あるいは興味の対象が明確に文系分野にある場合、数学を課さない大学受験の道を選ぶことは、立派な戦略の一つです。

特に国公立大学を目指す場合、5教科7科目が一般的と思われがちですが、実は共通テスト、二次試験のいずれでも数学を必要としない方式を設けている国公立大学はあります。

以下はその一例です:

国際教養大学 国際教養学部
東京都立大学 法学部
京都府立大学 文学部(歴史学科など)
滋賀大学 経済学部
大阪教育大学 教育協働学科(一部専攻)

志望校以外の大学も最新の募集要項で必ず確認することが不可欠です。

進路を考える上での3つのポイント


「嫌い」の裏にある「好き」を見つけよう:まずは、子どもが数学以外の科目で何に興味を示すか観察してください。実験が好きなのか、歴史の流れを考えるのが好きなのか、言葉や文化に関心があるのか。「好き」を軸に進路を考えることが、最も強固な基礎になります。

 

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情報は「最新」を確認しよう:大学入試制度は変更がつきものです。特に「数学不要」をうたう入試方式は、年度によって科目が変わる可能性があります。高校の進路指導担当や、大学の公式ホームページ、信頼できる進学情報サイトで必ず最新情報を入手しましょう。

“諦め”ではなく“選択”として捉えよう:数学が不要な文系大学を選ぶことを、「数学に負けた」と捉える必要は全くありません。それは、自分の得意な力や興味を最大限に活かして勝負する場を、主体的に選んだということです。この姿勢が、その後の大学生活やキャリア形成においても大きな力になります。

子どもの可能性を、単一の教科で決めつけないで


数学への苦手意識は、乗り越えるべき「壁」であると同時に、自分に合った進路を考える「きっかけ」にもなり得ます。

大切なのは、短所(数学が苦手)だけで進路を狭める「消去法」ではなく、長所(他の教科の興味や適性)を見つけて伸ばす「積極選択」の視点を持つことです。理系の夢があるなら、数学の基礎から丁寧に学び直す道を探り、文系の魅力に引かれるなら、数学を避けて通れる確かな道があることを知っておく。

最終的にどの道を選ぶにせよ、それは子ども自身が「これで勝負したい」と思えるものであるべきです。保護者の役割は、選択肢を提示し、その可能性を信じてサポートすることではないでしょうか。