2026年、インター校の現実と希望:バイリンガルへの道は自動運転ではない


明けましておめでとうございます。2026年が、皆様とご家族にとって、実り多き一年となりますよう心からお祈り申し上げます。

 

新年を迎え、新たな目標を掲げるこの時期は、国内・海外で子育てをされるご家庭にとって、お子さんの教育や言語の未来を改めて考える機会でもありますね。

 

今年海外駐在帯同や移住で海外に出発予定の方、国内・国外インター校に入学させようと考えている方、国際バカロレアなどの普通とは異なる教育に関心のある方、帰国子女で大学選びを考えている方、海外大学に興味ある方、そのような皆さまに向けて今年も引き続きいろんな記事を掲載していきます。

 

いつものようにインター校、国際バカロレア校、帰国子女にかかわる話しを主体に、受験や教育、英語問題など匿名の友人たちがいろいろと書き散らかした内容を随時まとめてブログに書き込んでいきますので、よろしくご一読ください。

 

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ご質問などはコメント機能をご利用くだされば、コメントは公開されることなく、私の方に届きます。それに対する返答は近日中にブログ記事内でそれとなく返答する形式です。個人情報などは一切書くことはありません。また、直接メールでの回答はしておりません。

 

今日は、特に「インター校に入学すれば英語が自然に話せるようになる」という幻想について、現実を交えながら考えてみたいと思います。

日本人学校の強み:確固たる基盤の上に築く力
 

海外に住む日本人の子どもたちが通う「日本人学校」では、何よりもまず日本語の確かな読み書きが重視されます。国語の授業は日本と同じカリキュラムで進み、日本の文化や考え方の基盤をしっかりと育みます。放課後はサッカーや野球、水泳などのクラブ活動が盛んで、体を動かしながら協調性や忍耐力を学ぶ機会にも恵まれています。

 

 

英語力について心配される保護者の方もいらっしゃいますが、現地には優秀な塾や個人教師が数多く存在します。イギリス英語、アメリカ英語など、目的に合わせた発音や表現を重点的に学ぶ環境が整っており、多くの子どもたちが着実に力を伸ばしています。重要なのは、彼らが「日本人としての日本語」を持っていること。この土台こそが、帰国を前提にした教育であり、さらには第二言語である英語を効果的に学び、吸収するための礎となっているのです。

インター校の現実:言葉の二正面作戦

一方、インターナショナルスクールに通う日本人の子どもたちは、学校生活のほぼすべてを英語で過ごします。そのため、日本語の維持と発展は、家庭と本人の意識的な努力に委ねられます。日本語塾への通学や、オンライン家庭教師を利用するケースがほとんどです。これは、単なる「お稽古事」ではなく、アイデンティティと思考の根幹を守るための、必要不可欠な投資と言えるでしょう。

しかし、より大きな課題は英語そのものの習得にあります。インター校での学習は、多くの場合、次のような道のりをたどります。

1年目は、授業の内容そのものよりも「英語についていくこと」で精一杯。先生の指示を理解し、クラスメートの会話についていくだけで、一日が終わってしまいます。
 

 

 

2年目になると、耳が慣れてきて会話にはある程度追いつけても、授業の内容はより高度に進んでいきます。単に「英語を」学ぶのではなく、「英語で」数学、科学、歴史を学ばなければならず、その負荷は計り知れません。成績は比較的低調になりますが、算数・数学は上位の成績をもらえる可能性があります。
 

3年目には、過去2年間の英語力の不足が、総合的な学業成績として明確に表れてくることも少なくありません。この段階で多くの生徒が直面するのは、語学の壁だけでなく、「学習の遅れ」という二重の課題です。引き続き成績もあまりよくありません。

多くのインター校では、英語力が十分でない生徒を対象とした「ESL(英語を第二言語とする者向け)クラス」を設けています。ここで基礎を固め、通常クラスに移行するまでに3年ほどかかることは珍しくありません。そして、4年目にようやく通常クラスに移り、平均以上の成績を維持できるようになることは、並大抵の努力では成し得ない大きな達成です。

見落とされがちなIT教育のギャップ
 

もう一つの重要なポイントは、ITリテラシーの差です。多くのインター校では、小学校低学年から一人一台のパソコンやタブレットを用いた授業が日常化しており、課題のリサーチ、レポートの作成、プレゼンテーションの資料作りまで、全てデジタルスキルが前提とされます。日本国内の一般的な教育環境よりもはるかに早くから、そして深くコンピューターに親しむため、入学当初はこの操作や概念についていくだけでも一苦労します。このITギャップは、英語力と同様に、学習の足かせになり得る要素です。

 

 

2026年、新たな視点で学校選びを


これらの現実から導き出される結論は明らかです。それは、「入学時の英語力が、その後の数年間の学校生活の質を大きく左右する」 ということ。インター校への進学を考えるのであれば、単に「英語環境に放り込めば何とかなる」という楽観論ではなく、お子さんの現在の言語力を客観的に見極め、必要に応じて事前準備をすることが極めて重要です。学校選びは、カリキュラムや施設だけでなく、ESLサポートの充実度、多様な生徒への対応歴を慎重に比較検討するべきでしょう。

2026年の初日に、私たちが胸に刻みたいのは、「バイリンガル教育に近道はない」という厳粛な事実です。しかし同時に、それは「綿密な計画と持続的な努力によって、確実に近づける目標である」という希望でもあります。

 

お子さんの言語環境を選択するこの決断は、家族全体の未来を形作ります。この新年を、現実を直視し、しかし未来への希望を捨てず、お子さんに最適な道を改めて話し合う機会にしていただければと思います。

今年も、どうぞよろしくお願いいたします。