IB MYP(国際バカロレア中等教育プログラム)とケンブリッジ国際カリキュラム(Cambridge Lower Secondary / IGCSE)は、いずれもグローバルな教育プログラムですが、そのアプローチや評価方法には明確な違いがあります。以下に、両者の特徴と主な違いを比較します。

1. 基本概要


項目 IB MYP  
運営団体 国際バカロレア機構(IBO)
対象年齢 11~16歳(MYP1~5)
最終資格 MYP修了証(公式資格ではない)
主な評価方法 課題ベース(内部評価+外部評価) 
 

項目 ケンブリッジ国際カリキュラム
運営団体 ケンブリッジ大学国際教育機構(CAIE)
対象年齢 14~16歳(IGCSE)
最終資格 IGCSE(国際的に認められた資格)
主な評価方法 筆記試験中心(外部試験)
※筆記試験中心だから、日本人的にはなじみやすいです。

 

 

 

2. カリキュラムの特徴比較
(1)教育理念
IB MYP 探究型学習(Inquiry-based Learning)を重視。

ケンブリッジ国際 知識とスキルの習得を重視し、試験対策型のカリキュラム。
どちらかと言えば、しっかり詰め込みます。


科目ごとの深い理解を求め、特にIGCSEでは大学進学(A-LevelやIBDP)の基礎を築くことが基本ですから、IGCSEを取得したとか、9科目で最高点だったとかといって、大学進学したら活用できるかといえば、ちょっと違います。その後のA-LevelやIBDPにつなげていくわけです。

 

A-Levelに関してはまたこんど。


(2)科目構成
IB MYP
8つの教科群(言語A・B、数学、科学、人文、芸術、体育、デザイン)を横断的に学ぶ。
「パーソナルプロジェクト」(MYP5で実施)が必須。これが研究です。

研究の仕方と論文の書き方を勉強するといったほうが良いかもしれません。

新発見は必要ありませんが、研究発表、プレゼンテーションまでが評価対象です。

ケンブリッジ国際
Lower Secondary(11~14歳)のカリキュラムに関しては省きます。あまり比較の意味がありません。
IGCSEは対象年齢設定が14~16歳です。70科目以上から選択(例:数学、生物、ビジネス、外国語など)しますが、もちろん学校が提供できる科目で教育されます。
試験科目に特化しており、学生は5~10科目を選択します。

8科目や9科目が一般的です。


(3)評価方法
IB MYP
継続的な評価(課題・プロジェクト)+最終試験(一部)。
Criteria(基準)に基づく評価」(A~Dのグレード)。

ケンブリッジ国際
筆記試験中心(IGCSEは外部試験が必須)。
A*~Gのグレードで評価されます。大学受験時にその成績レポートを提出します。

 

 

3. メリット・デメリット


IB MYPの長所と短所
長所 探究型学習で批判的思考力・表現力が育まれる。
国際バカロレアDP(大学準備課程)へのスムーズな接続が可能。
プロジェクトベースの学習で実践的なスキルを習得。
 

短所 評価が抽象的で、学力の客観的測定が難しい。
教師の負担が大きく、質にばらつきが出やすい。

ケンブリッジ国際の長所と短所

長所 明確な試験基準があり、学力を数値化しやすい。
IGCSEは世界的に認知されており、大学受験にも影響する。
科目選択の自由度が高く、理系・文系に特化しやすい。


短所 試験対策偏重で、創造性や探究心を育てにくい側面がある。
IBDPへの移行時に学習スタイルの違いに戸惑う可能性。

つまり、詰め込み式です。


4. 日本の学校がケンブリッジ国際を選ぶ理由
 

近年、日本の中学校でケンブリッジ国際が導入される背景には、以下の要因が考えられます:

教師の負担軽減:IB MYPよりも評価が明確で運営しやすい。
試験対策の親和性:日本の受験教育と相性が良い(記憶重視)。

5. どちらを選ぶべきか?


IB MYPが向いている学生
探究型学習が好き、総合的なスキルを伸ばしたい、IBDPへの進学を考えている。

ケンブリッジ国際が向いている学生
試験で実力を示したい、理系・文系に早期特化したい、イギリスやオーストラリアの大学を目指す。

つまり、日本の中学校がケンブリッジ国際を導入する増えている理由は、「IGCSEの資格の有用性」と「運営のしやすさ」にあると考えられます。しかし、IB MYPは非認知能力(クリティカルシンキング、国際感覚)を育てるのに適しています。


どちらを選ぶかというよりは、IGCSEの先の2年間を見る事が必要です。