マンションの終活とは、老朽化したマンションの将来について、区分所有者が一体となって検討し、決断することです。

 

 終活の方法には、大規模修繕や改修、建て替え、敷地売却などがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

 

建て替えのメリット

 

- 新しいマンションに住むことができるので、快適性や安全性が向上します。

 

- 建て替え後のマンションの価値が高くなる可能性があります。

 

- 建て替えによって床面積が増加する場合は、余剰床を処分することで事業費の軽減ができます。

 

建て替えのデメリット

 

- 建て替えには多額の自己負担が必要になる場合があります。

 

- 建て替え中は仮住まいや引越しの手配が必要になります。

 

- 建て替えには区分所有者の5分の4以上の同意が必要になります。全員の合意が得られない場合は、反対者への売渡し請求や個別売却などの手続きが必要になります。

 

敷地売却のメリット

 

- 敷地売却によって得られた売却代金を区分所有者で分配することができます。

 

- 敷地売却後は、自由に住み替えることができます。

 

- 敷地売却には建替え後の建築計画に関する制約がなく、マンション以外の建物も計画することができます。そのため、区分所有権の評価が高くなるケースがあります。

 

敷地売却のデメリット

 

- 敷地売却には原則として区分所有者全員の同意が必要になります。ただし、耐震性に問題があり行政から「要除却認定」を受けたマンションについては、建て替え決議の要件に加えて、土地の共有持ち分の価格について5分の4以上の賛成があれば、敷地売却決議をすることができます。

 

- 敷地売却によってマンションのコミュニティが解消される可能性があります。

 

- 敷地売却には抵当権や借家権などの権利の消滅や移転などの手続きが必要になります。

 

 以上が、建て替えや敷地売却のメリットとデメリットになります。

 

 終活を進めるには、区分所有者の合意形成や法的手続きが必要です。

 終活に関する情報や専門家のサービスを利用して、よく検討し、決断することが大切です。

 

 終活を進めるには、以下のようなステップが必要です。

 

- 耐震診断の実施:マンションの耐震性を調べることで、建て替えや敷地売却の必要性や可能性を判断できます。耐震診断は、区分所有者の2分の1以上の同意で行うことができます。

 

- 専門家の導入:マンション管理士、不動産鑑定士、弁護士、司法書士などの専門家に相談し、終活の方法や手続き、費用、分配金などについてアドバイスを受けます。

 

- 情報の共有と意見交換:管理組合内で終活の方法や内容について、区分所有者同士で情報を共有し、意見交換を行います。終活の方法によっては、借家人や住民自治体などの関係者とも調整が必要になります。

 

- 決議の実施:終活の方法や内容について、区分所有者の多数決や全員同意などの決議を行います。決議の要件は、終活の方法によって異なります。

 

- 行政認可の申請:建て替えや敷地売却の場合は、都道府県知事などの行政機関に申請し、認可を受ける必要があります。

 

- 建て替えや敷地売却の実施:決議や認可に基づいて、建て替えや敷地売却を実施します。建て替えの場合は、仮住まいや引越しの手配も必要になります。

 

 マンションの終活は、区分所有者の権利や財産に大きな影響を及ぼす重要な決断です。

 

 終活を進めるには、区分所有者の合意形成や法的手続きが必要です。

 

 終活に関する情報や専門家のサービスを利用して、よく検討し、決断することが大切です。