携帯電話は、1990年代から普及がはじまり、世代が進むごとに「進化」してきました。
最初は電話機能だけだったものが、メールが送れるようになり、
インターネットが普及し、通信速度もどんどん上がっていきました。
そしていま、移動通信システムも第4世代から第5世代に移行しようとしています。
かつて、特に大型である携帯電話の基地局を建設しようとする際に、周辺住民などから景観の問題や健康への影響があるとして反対運動が各地で起こっていました。
最近、あまり反対運動の話が少なくなったように感じます。
今やスマートホンなしでは、生きていけない世の中になりましたから、もしかしたら、ある程度携帯電話基地局は充足したのでしょうか?
どんどん新しいシステムが出現しますが、同じ場所で装置を更新すればよいわけで、大きな問題にならないかもしれません。
移動通信システムは、携帯電話だけではなく、データ通信、IoTにも欠かせないものとなりました。
携帯電話基地局は、近年さらに重要性が増しています。
マンション屋上に設置された携帯電話基地局をよく見かけます。
かつて、携帯電話会社は、エリアの拡大と安定的な通信を目的として、
マンションの屋上に携帯電話基地局を設置することを管理組合に申し入れることがよくありました。
特に、郊外で高層の建物が少ない地域ではマンションは携帯電話基地局としては必要不可欠なものかもしれません。
携帯電話基地局設置により、賃料が支払われるので、修繕積立金の不足で頭を悩ませている管理組合にとっては、
「渡りに船」
と前向きに検討されるケースがあります。
しかし、基地局の設置については慎重に考え、メリット、デメリットの両方を正しく理解した上で、設置/非設置の判断をする必要があります。
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〈建物の構造上問題はないか〉
携帯電話基地局の装置は、基地局の仕様によって異なりますが、10t前後の重量があるといわれています。
まず、マンションの建物の構造上、余裕があるかないかを検証しなくてはなりません。
建物に加わる地震力は建物の重さに比例します。
設計時に想定していない余計な荷重が長期間かかるわけですから、慎重に検討する必要があります。
〈マイクロ波による人体影響、健康被害はないか〉
一時、マイクロ波(電磁波)による健康被害について話題になりました。
現在では、日本では、あまり話題になりませんが、世界的には、マイクロ波が身体に及ぼす影響についてはさまざまな議論があるのは確かです。
病院での使用は、医療機器への影響を考慮して禁止になっていることは皆さんもご存じのことでしょう。
マイクロ波の人体への影響は、科学的な見解の一致をみていませんが、社会的な不安感は、大きな存在といえるのではないでしょうか。
総務省のホームページでは、
「携帯電話基地局アンテナは、人体に影響を与えない基準値以下に電波の出力を抑えるような規制が設けられている」
との趣旨が書かれています。
〈合意形成の問題はないか〉
国民生活センターのホームページには、
「マンションの屋上に携帯電話の基地局を設置する際に総会の普通決議で足りるとした事例」(2012年8月公表)
を紹介しています。
判例では、マンションへの携帯基地局設置は、「形状又は効用の著しい変更」ではないとしています。
すなわち、普通決議で良いということなのですが、後々禍根が残らないようにマンション住民全員で十分に検討する必要があります。
電磁波の漠然とした不安感は残っています。