今国会で区分所有法改正の審議が行われています。
マンションの将来には重大な問題が潜んでいます。
鉄筋コンクリートのマンションは木造住宅よりも寿命が長いとされていますが、いずれは寿命を迎えます。
一棟の建物に多数の区分所有者がいるため、建て替えには煩雑な手続きが必要です。
そこで、マンションの長寿命化と建て替え、敷地売却を両立させる方策が模索されています。
若い区分所有者にとっても避けて通れない問題です。
マンションの長寿命化の一つであるマンション大規模修繕工事では、修繕積立金を巡る問題が依然として存在しています。
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以前、NHKのクローズアップ現代で、マンション大規模修繕工事に焦点を当てた特集が放送されました。
業界の闇に迫る内容でした。
問題の原因は、マンションの所有形態である区分所有です。
1棟の建物を多人数で所有し、管理費と修繕積立金を毎月支払います。
管理会社がマンション管理を受託し、ほとんどの区分所有者は無関心です。
定期的な修繕を行う長期修繕計画が存在するため、管理会社はいつどのような工事を行うか把握しています。
マンションができたころは、管理会社がすべてを仕切っていました。
しかし、それでは問題が多いということで、設計監理方式というものが登場しました。
『設計コンサルタント』が『透明性』をうたい文句に登場しました。
設計コンサルタントは、本来の発注者支援業務の理論(CM方式の理論)を知らないまま業務を行っていました。
現在でも何ら変わっていません。知らないと本来の透明性や倫理観は醸成できません。
日本の建設業は、古くから談合というネガティブな慣習があります。
設計監理方式と談合がマッチングしていきました。
私が20年ほど前に、「マンションでもCM方式が必要」とうったえましたが、マンションに絡む関係者たちは、自分たちが行っていることを隠して、CM方式の欠点を並べ立てるばかりでした。
つい最近まで、マンション管理業協会の書籍でも、CM方式についてネガティブな表現がありました。
私たちが申し入れをして、本来の表現に訂正していただきました。
それでも、CM理論は、なかなか進まない状態です。
私は、「いつかは、この業界全体が信用を失う」ということを予見していました。
しかし、なかなか「信用を失う」までは行っていないようです。
管理組合の無関心、知識不足が一因ですが、目先の金額の多寡で一喜一憂する構造が一番大きな要因と思います。