マンションを構成する建物は、鉄筋コンクリート構造などで構成されています。


非常に多数の部材の集合体です。

 

それぞれの部材は、個々に耐用年数が異なります。


同じ部材であっても、施工条件、立地条件、使用環境によって劣化度の状況に違いがあります。

 

言い換えれば、自然環境の影響や物理的摩耗などにより劣化し、機能の低下が進行します。


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マンションの快適な居住環境や資産価値を維持し、向上を図るためには、建物や設備の経年劣化に対応した適時適切な修繕工事を行うことが重要です。

 

修繕工事などの維持保全をしなければ、それぞれの部材が多かれ少なかれ長短があるにせよ、寿命に達します。

 

究極は、コンクリートと鉄筋の寿命です。


構造躯体が寿命に達した段階で、マンションの寿命が終りです。

 

過去の劣化データを元に、各部材の劣化の平均像を捉え、修繕を計画的に行うことが必要です。


このように計画的に行う修繕を「計画修繕」といいます。

 

大規模修繕は、計画修繕の究極の姿です。


大規模修繕の意義は、計画修繕の意義でもあります。


計画修繕の意義は、マンションを長期に亘って快適で安全な住まいとして維持することにあります。

 

そのためには、適切な長期修繕計画を作成し、それに基づいた修繕積立金の額の設定を行うことが不可欠です。


言い換えれば、計画修繕とは、修繕のうち、長期修繕計画で定められた修繕周期に基づき、性能や機能を回復させることをいいます。

 

鉄部や外壁の塗装、防水、躯体補修などを行う大規模修繕工事も計画修繕に該当します。


設備の修繕も同様に、長期修繕計画による修繕は計画修繕です。


マンションが大切な資産としての価値を保全するためには、保守・点検や日常修繕を着実に行うとともに、 


「長期修繕計画」を立て、


それに基づいた「修繕積立金」を積み立て、


「計画修繕」を適切に行うことがたいへん重要になります。

 

計画修繕は、管理組合が自らの責任と負担の下で積極的な取り組みが行われなければなりません。


計画修繕の実施方法については、予防保全型修繕と事後保全型修繕の二つがありますが、予防保全型修繕が基本です。


マンションの長寿命化対策や耐震対策などを予防保全型修繕で行うこと、それが大規模修繕の意義ともいえます。