私がはじめてマンションを購入したのは、1980年です。

 

 なぜか、初代の理事に指名され、2年間理事を務めました。

 

 その2年間に長期修繕計画を総会で承認を受け、修繕積立金の値上げを断行しました。

 

 このマンションには、5年間住んで一戸建て住宅に転居しました。

 

 その後、転勤で、19年前に現在住んでいるマンションを購入しました。

 

 過日、修繕委員会員の募集があり、私は応募しました。

 

 理事会の諮問は、長期修繕計画の見直しです。

 

 現在でも、修繕積立金問題では、40年前の問題がくすぶっているようです。

 

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 私は、1980年当時、不動産会社の建築担当者として、仕事をしていましたが、マンション管理については無知でした。

 

 長期修繕計画や修繕積立金の重要性が、認識され始めたのは、1980年頃からですので、管理会社は、修繕積立金の案を理事会に提出しました。

 

 その内容に各理事の方々が大きな驚きを示されたのを今でも覚えています。

 

 それ以前にも比較的規模の大きいマンションでは、独自の長期修繕計画を持ち、それに基づいて修繕積立金を設定しているケースもあったようです。

 

 しかし、普及率は極めて低く、修繕積立金額も低額でした。

 

 私がマンションを購入した時の修繕積立金の月額は管理費の1割程度でした。

 

 管理会社が長期修繕計画案を提出してくれましたが、修繕積立金を月額10倍にしなければ、将来の不安が残るという内容でした。

 

 その当時、管理会社が作成してくれた長期修繕計画は今から見ると簡単なものでしたが、それを見た理事さんたちは、今後必要とされる金額があまりにも多額で声を失っていました。

 

 何とか、新築から2年経過した通常総会で第1回目の修繕積立金の値上げが承認されました。

 

 政府の動きとしては、1982年に当時の建設省から出された「中高層共同住宅標準管理規約・同コメント」で、初めて「特別修繕費を修繕積立金」として積み立てることが明記されました。

 

 長期修繕計画の作成の基準が最初に出されたのは1986年で、高層住宅管理業協会の内部組織として設立された「マンション保全診断センター」が「長期修繕計画案作成基準」を発表しました。

 

 この基準の価値は、長期修繕計画作成のための一定の基準と手法を示したことにあります。

 

 1980年代半ばになると、あちこちのマンションで外壁を中心とした大規模修繕が行われるようになりました。

 

 工事費に際して修繕積立金の蓄積額が十分でなかったマンションが多く、金融機関からの借入れや区分所有者からの一時金の徴収等で賄ったケースが数多く見られました。

 

 その当時は、現在のように公的資金の融資制度(住宅金融支援機構等のマンションリフォームローン)もなかったことから、工事資金不足のため工事の規模・範囲を縮小したケースさえありました。

 

 本格的に長期修繕計画が普及しはじめたのは、1995年に住宅金融公庫が公庫付きマンションを販売する際に「長期修繕計画(案)」の提出と一定金額以上の修繕積立金の徴収をマンションの事業主に条件付けた頃からです。

 

 現在では、長期修繕計画・修繕積立金制度の普及はかなり進みました。

 

 2008年には、国土交通省から「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン」が公表されました。

 

 これが一番大きな動きですが、現実にはその内容にかなりバラツキがあるようで、長期修繕計画がつくられてはいても、修繕積立金に十分に反映されていないケースが多くあります。