マンション管理組合の理事会において、理事の出席者が少ないので、欠席理事から理事長に委任状を出してもらい過半数にしたいと思いますが、これは可能でしょうか ?


 管理組合の理事会における理事が理事長に対する委任状の使用については、一般的には認められていません。

 

 理事会は、管理組合から選出された人が集い、マンション内の問題について話し合う機関であり、理事本人が出席して議論に参加し、議決権を行使するのが原則です。

 

 実際には理事会に同居の配偶者が代理出席する場合には、委任状の提出まで求めていないケースの方が多いです。

 

 また、やむを得ない理由がある場合に、同居の配偶者や一親等の親族に限って代理人を出席させることも考えられます。

 

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 標準管理組合単棟型コメント

 

【コメント】
第 53 条関係
① 理事は、総会で選任され、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとされている。このため、理事会には本人が出席して、議論に参加し、議決権を行使することが求められる。


② したがって、理事の代理出席(議決権の代理行使を含む。以下同じ。)を、規約において認める旨の明文の規定がない場合に認めることは適当でない。


③ 「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族(理事が、組合員である法人の職務命令により理事となった者である場合は、法人が推挙する者)に限り、代理出席を認める」旨を定める規約の規定は有効であると解されるが、あくまで、やむを得ない場合の代理出席を認めるものであることに留意が必要である。この場合においても、あらかじめ、理事の職務を代理するにふさわしい資質・能力を有するか否かを考慮して、その職務を代理する者を定めておくことが望ましい。
 なお、外部専門家など当人の個人的資質や能力等に着目して選任されている理事については、代理出席を認めることは適当でない。


④ 理事がやむを得ず欠席する場合には、代理出席によるのではなく、事前に議決権行使書又は意見を記載した書面を出せるようにすることが考えられる。これを認める場合には、理事会に出席できない理事が、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決することを認める旨を、規約の明文の規定で定めることが必要である。