1. なぜ「法律」だけでなく「規約」も変える必要があるのか?

 

 改正区分所有法が2026年4月1日に施行されますが、「法律が変わるなら、規約はそのままでもいいのでは?」という疑問に答えましょう。

  • ルールの明確化: 法律は「大枠」を決めますが、具体的な手続き(例:所在不明者をどう特定するか、理事会でどう決議するか)は規約で定めておかないと、現場が混乱します。
  • 新ルールの活用: 今回の目玉である「決議要件の緩和」などを実際に使うためには、規約にその根拠を反映させておくのが実務上、最もスムーズです。

2. 標準管理規約(2025年改正版)の主な変更点

 

 国土交通省が示した最新の標準管理規約で、特に注目すべきポイントを挙げます。

 

変更項目

改正のポイント

所在不明者の扱い

裁判所の判断を得て、決議の分母から除外する具体的な手続きの規定。

出席・決議のIT

Web会議による総会や、電子メール・Webフォームによる議決権行使の更なる明確化。

修繕・建て替えの円滑化

法律の緩和に合わせ、特別決議(3/4以上など)の対象範囲の見直し。

外部専門家の活用

第三者管理者方式(マンション管理士などが管理を行う形式)に関する規定の整備。


 

3. 管理組合がとるべき「規約改正」の3ステップ

 

自分のマンションで実践できるアクションプランを提示します。

 

STEP 1:現状の規約と「新・標準管理規約」の比較

 まずは、自分たちの規約がどれくらい古いのかを確認します。2025年10月に公表された最新の標準管理規約(国交省サイト)をダウンロードし、今の規約との差分をチェックします。

 

STEP 2:理事会での検討と専門家への相談

 規約の改正は法的な整合性が重要です。

  • マンション管理士などの専門家にアドバイスを求める。
  • 管理会社に、改正法に対応した「規約改正案」の作成を依頼する。

STEP 320264月以降の通常総会で決議

 

 規約の変更は「特別決議(区分所有者および議決権の3/4以上の賛成)」が必要です。

 

ポイント: 2026年4月1日以降に開催する総会であれば、改正後の「所在不明者除外ルール」などを活用して、これまで通らなかった規約改正を通せる可能性があります。

 


 

4. まとめ:資産価値を守るための「攻め」の規約改正

 管理規約を最新の状態に保つことは、単なる事務作業ではありません。

「このマンションは法律の変化に柔軟に対応し、適切に管理されている」という市場からの信頼につながり、結果として資産価値を守ることになります。