今月号の特集では、燕子花や河骨をはじめとした秋の水ものを取り上げています。
小原流ではご存じのとおり、燕子花は写景盛花様式本位において、早春から、木枯らしが黄ばんだ枯れ葉を揺らす晩秋に至るまで、ほぼ通年にわたって挿法が定められています。
また燕子花をはじめとする多くの水生植物は、秋から来春にかけて越冬に向けた休眠状態に入るため、地上や水面上に露出している部分はほぼ枯れてしまいます。
ですので、一般的には水ものと秋、という季節はミスマッチに思えるかもしれません。
しかし、こうした秋の水ものたちが枯れゆく姿というのは、爽やかで旺盛だった盛りの夏の水辺を思い出させ、来春の芽生えを待ち遠しくさせるどこかドラマチックで不思議な力があるのではないでしょうか。



この続きは本誌にて。
(「小原流挿花」のご購読は、下記よりお申込みください。)

小原流教材カタログ「花もあ」