本格的な夏が到来する頃に「土用の丑の日」という言葉を耳にします。
そのため、土用といえば酷暑を想像しがちですが、春夏秋冬、それぞれに土用の期間が設けられています。
そもそも土用とは、季節の節目をあらわす雑節の一つ。
古代中国で発明された二十四節気において、各季節が始まる日として定められている立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を指します。
つまり年間の約5分の1にあたる72日間が土用となり、体調を崩しやすい時季にもあたるのです。


さて、夏の土用といえば、やはりウナギを思い浮かべます。
秋から冬にかけてが脂がのる旬とされ、夏は需要が少なかったウナギの消費を増やすため、江戸時代に活躍した知恵者・平賀源内が一役買ったというエピソードが有名です。
へそ曲がりな私は「養殖技術が確立された現代では、いつ食べてもおいしいはず!」と斜に構えた末、夏の土用はあえてウナギ以外のものに関心を向けています。



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