4月になり、いよいよ春本番となりました。
うっすらと霞のかかった空に、桜や菜の花の色がやさしく映えるように感じます。


昨年、母校の大学で日本文化の歴史背景や思想について講義をする機会がありました。
いけばなを語るうえで季節感は欠くことが出来ない要素です。
日本では四季のそれぞれをさらに初春・仲春・晩春というように細かく区別しますが、古代中国で作られた暦である二十四節気では各節気に約15日間があてられ、七十二候ではそれをさらに5日間に分けて初候・次候・末候とします。


4月上旬から中旬にあてられる清明の末候である「虹始見(にじはじめてあらわる)」は、雨上がりの空に微かに虹がかかった春をイメージする美しい名称ですね。
気象や植物などの自然の変化を5日ごとに敏感に感じ取っていた昔の人々の感覚や、叙情豊かな名づけのセンスに感服するばかりです。

 

 

 

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