あけましておめでとうございます。
読者の皆様にとって、新しい年が素晴らしい一年となることをお祈り申し上げます。


本年の年間特集は「自然の風趣をいける」をテーマに、4回にわたってお届けします。
1回目となる今号は、冬の山裾や庭園、水辺などの風景の中に見られる植物の佇まいや趣ある姿を主題としました。
それぞれのいけ手が自分なりの視点を生かし、ストーリー性を持たせて作品をいけています。


昨年3月号の本エッセイでも触れた北宋の山水画家・郭煕は画論『臥遊録』で、冬の山の情景を「冬山惨淡として睡るが如し」という言葉で表現しています。
冬枯れた薄暗い景色の中、鳥の鳴き声もなく、聞こえてくるのは枯れ葉を揺らす冷たい風の音だけ。
静まり返った冬の様子が思い浮かんでくる見事な一節ですね。


「風趣」という言葉の意味を辞書で改めて引くと「ある景色から感じられる趣や味わい。風情」とありました。
趣や味わいとは、視覚からダイレクトに感じるものではなく、……

 

 

 

この続きは本誌にて。
(「小原流挿花」のご購読は、下記よりお申込みください。)

小原流教材カタログ「花もあ」