食べ物がおいしく、気候も穏やかで過ごしやすい秋ですが、一方悩まされるものに落ち葉が挙げられます。
美しく見事な紅葉を眺めた後の落ち葉の片付けは、さながら夢の跡といったところでしょうか。


常緑樹と落葉樹の定義はさまざまですが、一般的なイメージは緑の葉を常に絶やさないのが常緑樹、葉が落ちる時季があり、立ち木の丸裸の姿が見られるのが落葉樹といった感じでしょうか。
そもそも、なぜ樹木は葉を保つか落とすか、全く異なる生存の戦略を選んだのでしょうか。
それは、樹木にとって「葉を生産するのも、維持して使い続けるのもコストである」という視点に立つと、とても合理的な選択と分かるようです。


いわずもがな、葉は光合成を行い、二酸化炭素と水分から自身の生存に必要な炭水化物を合成します。
日照・降雨量が安定していれば、一度つけた葉を長く使い続けられます。
しかし、日本の冬のように光合成に不向きな環境下では、合成・生産する炭水化物よりも葉を維持するコストが高くなります。



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