フランス・パリを中心に「ジャポニスム2018:響きあう魂」という世紀のイベントが開催されていたのを皆さんご存じでしょうか?
このイベントは、日仏修好160年を記念し、フランス国内で昨年7月から今年2月まで8ヵ月に渡って行われました。古代から現代までのさまざまな日本の魅力が取り上げられました。
例えば、日本の原点である縄文から、伊藤若冲などの美術作品、琳派、歌舞伎、能・狂言という伝統文化から、チームラボや初音ミクなど最新のメディアアート。食や祭りといった生活文化。そして、いけばな。
まさに「日本の素晴らしいもの、面白いもの、全部見せます!!」といった感じです。


そんなジャポニスム2018の企画の一つとして、2月にパリでいけばな展が開催されました。池坊、一葉式いけばな、小原流、草月流、未生流の5流派の家元、次期家元が一堂に会して花をいけるという、日本でもなかなか見ることができない作品展示となりました。
もちろん、国内でも諸流の展覧会などで他流の御家元とご一緒することはあります。その時は他の出品者の方々も大勢いらっしゃるので、家元・次期家元だけが、隔絶された空間で作品を展示しているわけではありません。
しかし、今回は会場となったパリ日本文化会館のホールに集うは、我々5人と各流スタッフ!
当日は、同じ空間でお互いの作品を横目に見つつ、自分の作品に各自没頭しました。五者五様の個性がぶつかり合いながら、作品を通して行われるさまざまな駆け引き。今までに味わったことのない緊張感と、独特の張りつめた空気と熱気に包まれてのいけ込みでした。
まるで目に見えない火花が散っているかのような……、濃密でエキサイティングな思い出となりました。





この続きは本誌にて。
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