今朝バスの特等席が解禁されていた

特等席というのは運転手の真後ろにありつつすぐ後ろには座席も無く一人席なので隣に人が座ることも無いこの世の誰よりも偉そうな位置にある座席の事である。

肩幅がでかい私にとってバスの座席は基本狭すぎる(いきなりステーキさんの回転率を上げる為に計算された非の打ち所が無いミニマリスト応援中!みたいな狭きテーブルそして居心地の良すぎない椅子!と同じ感覚をバスは感じさせてくれるのだが)

もしかしたら地方のバスには無くて東京のバスにしかない伝説の椅子なのかもしれないこの席はコロナになってから何故か封鎖されていた。

運転手の真後ろだからだろうか、だか結果その一人分の人間が立たなければいけなくなり、余計に乗客同士が近くなるから感染対策の優先度はバスの運転手が一番なのか、成る程確かに運転手がダウンしたら元も子もないなと気付かせてくれた覚えがある。そんな事を考えても、あああそこ座りたいなあと特等席を眺めていた時代を三年過ごし、今朝いつのまにか何の前触れもなく解禁されていた王者の椅子。

まさか座れる様になっていたとは露知らず通りすぎてしまっていた。

外を歩く時普通はこうだからと、ありえないよなと決めつけていると認識出来る筈のものも出来なくなってしまうのかもしれない。

あんなにも座りたかった貴族の椅子は、今となってはただ皆んなの視線の先にある、もしかして晒されてる?と感じる様になってしまった、あそこに座るのは混んでる時の最終手段にしよう。世の中の価値観が変わったのか自分が変わったのか

結局色んな事は気分という名のタイミングだなと最近本当によく思う。

今の気分で一際高い位置にあるあの座席を最後の砦と名付けておいた