帰り道
四人は並んで歩いていた
雪を踏む音が
やけに気持ちいい夜だった
「ねえ」
塩が言う
「次はちゃんと呼んでよ」
「うん」
砂糖は笑う
「次はもっとデカいライブする」
「アリンコ増えてたら嫌だな」
「百匹くらいにするか」
「怖い怖い怖い」
くだらない会話が
寂しかった時間を、夜を埋めて行く
住宅街は相変わらず静かだった
誰も歩いてない
でも今日は
世界に自分達しかいない感じがしなかった
川の近くまで来た時
ベーコンが空を見る
雪はまだ降っている
ずっと降っている
この国には
本当に季節ってあるんだろうか
でももし無いとしても
今日みたいな日はちゃんとある
冷たいのに暖かい日
帰りたくないのに
ちゃんと帰れる日
変わってしまったのに
また笑える日
「寒っ」
牛乳が肩をすくめる
「走る?」
ベーコンが言う
「えー子供じゃん」
そう言いながら
最初に走り出したのは塩だった
「あっずる!」
砂糖も走る
牛乳も笑う
ベーコンも走る
「ねえ!俺だけ家から遠ざかってるんだけども!」
「「「ロックじゃん!!」」」
積もった雪が少しだけ溶けた音がした


