(お時間の許す方のみ、おつきあいくださいませ






金の星社
*『たんぽぽ』*
つめたい かぜに,ほんの すこし はるの においがする。
かれくさの なかで、じっと はるを まっている くさ。
なにかな?
はっぱの まんなかに まんまるい きいろの つぼみ。
たんぽぽだ。たんぽぽの つぼみだ!

ことし はじめての たんぽぽが,そおっと ひらいた。
じめんに くっつくようにして、
おそる おそる ちいさく ひらいた。
だんだん あたたかくなる。
はるが いっぱいになる。
たんぽぽは あんしんして せいを のばす。
おおきな はなを とくいそうに さかせる。
まわりの くさが のびると,
たんぽぽも おひさまに あたりたくて,どんどん のびる。

まわりに くさが ないと,
たんぽぽは じめん いっぱいに, はっぱを ひろげて,からだじゅうで おひさまに あたる。
あさ おひさまの ひかりで,たんぽぽたちは めを さます。
そして いちにちじゅう,いっしょうけんめい おひさまを みあげて くらす。
ゆうがた,たんぽぽが ねむる。
ひとつ ひとつ ゆっくり つぼんで,
しまいに みんな,ねてしまう。
さむいひは,いそいで ねむる。
あたたかい ひは,ゆっくり ねむる。

きょうは あめ。
つめたい あめが たんぽぽを ぬらす。
たんぽぽは さむそうに
そっと はんぶんだけ はなを ひらいて
あめに うたれながら,
じっと おてんきに なるのを まっている。

みんな めを さましたのに,
ひとつだけ めを さまさない たんぽぽが ある。
からだを よこにして ねたまま。
どうしたのかな?

なんにちか たった。
おや,あの たんぽぽが おきあがっている。
いつのまにか いちばん せいたかのっぽに なっている。
かれた はなびらを あたまの うえに おしあげて,
また ひらくつもりなのかな?
みどりの ほっぺたが ふくらんでいる。
かれた はなびらの したに,なんだか しろいものが みえる。
わたげだ!
まっしろの ぴかぴかの わたげだ!

たんぽぽは ひらく。
ようじんぶかく,あたりを うかがいながら,
そおっと そおっと ひらいてく。
とうとう みんな ひらいた。
いちにちじゅう かかって,そろ そろと ひらいた。
わたげたちは
いっぽん いっぽん じっと いきを とめて,
ちかづいてくる かぜの おとを きいている。
ちいさな かぜが くる。
わたげたちは うごかない。
つづいて かぜが くる。
いっぽんの わたげが
なかまの わたげを おしわけて,
きゅうくつそうに からだをのりだした!

さあっと おおきな かぜが きた!
わたげたちは,はっと ひとおもいに かぜにのる。
おおきな かぜに のった わたげは とおくへ,
ちいさな かぜに のった わたげは ちかくへ,
ひとつずつ ちいさな たねを かかえて とんでいく。
おもい おもいに とびちっていく わたげたち。
はらっぱじゅうが わたげになる。

わたげたちは とんでいって しまった。
なんびゃく なんぜんの こどもたちを,
こころを こめて みおくった たんぽぽ。
しごとを おわった くきは
しずかに たおれて かれていく。
しばらくすると,たんぽぽは あたらしい しごとに
とりかかる。
まんなかから つぎつぎに
あたらしいはっぱが うまれる。
ふるい はっぱは かれて,
たんぽぽは いつのまにか まえより おおきく
うまれかわった。
あおあおとした はっぱを
どっしりと ひろげている。

たんぽぽは このまま ふゆを こえて,
つぎの はるには,もっと たくさんの
はなを さかせる。


おしまい



pana*チャマは…
読んでくれたかな???(*´艸`*)





たんぽぽってすごいね~、私も、大好きだよ





明日もいちにち、ガンバレ、私q(^-^q)





ガンバレ、みんな



