『オオウミガラス 種の絶滅をめぐる物語』 | F9の雑記帳

『オオウミガラス 種の絶滅をめぐる物語』



 ギースリ・パウルソン『オオウミガラス 種の絶滅をめぐる物語』(上田一生+沼田美穂子訳、青土社)を読みました。
 この本には「その昔、アイスランドでは極めて普通に見られる鳥だった」(16頁)であるオオウミガラスの絶滅について主に書かれているのですが、1858年にオオウミガラスを求めてアイスランドを探検したジョン・ウォリーとアルフレッド“・ニュートンと言う二人のイギリス人博物学者の足跡、彼らが可能な限り収集した情報を書き記した(現在イングランドのケンブリッジ図書館所蔵の)『ゲアファウル・ノート』の解析や新たに発見された事実やエピソード、沢山の著名な鳥類学者や科学史家あるいは専門家の思想…、それらの内容は(鳥類学にはまるで疎い僕であっても)しばしば途中で「生々しい情景が浮かび上が」(377頁)ってきたこともあってでしょうか、一服するタイミングを忘れてしまいかねないぐらいに興味深く読み進められ、十二分に楽しい読書ができたと読み終えた後に強く感じました。
 個人的には、この本に書かれているアイスランドを探検した後のニュートンの姿勢及び言葉が特に胸に響きました。
 また、最後の第一一章と「あとがき」で触れられる種の絶滅についての著者の見解は、‘種の絶滅’について考える際の新たな視座を僕に与えてくれたように感じました。
 ああ、「絶滅によって失われるものは、種や生物多様性だけに留まらない」だけでなく、「あらゆるものが失われるのである」(329頁)、か…。