「弔いのひ」 | F9の雑記帳

「弔いのひ」




 間宮改衣「弔いのひ」(『新潮』2025年8月号所収)を読みました。
 この小説は、かつて病院に就職したもののうつ病になり1年で辞め、ゲームのシナリオライターの仕事もしていた(現在)小説家の主人公が、自身の父親についての小説を書くために思いを巡らせたり、身近にいた人達に話を聞くうちに父親についてほとんど知らなかった事や、自分自身について気づいていくと言う展開なのですが、(小説上の)現在の状況の描写の細かさや、頻繁に登場して主人公に圧力をかけてくる“あの子供”の存在などもあってでしょうか、読み終えてとてもスッキリした気分になりました。
 そして、主人公の気持ちに寄りすぎていたのか嫌いだった主人公の母親が、主人公の父親について分かるにつれて好きになっている自分に気づいて正直驚きました。
 あと、小説の終盤に出てくる蜘蛛が、存在感があって良かったなと(個人的には)思いました…。