「新しい恋愛」 | F9の雑記帳

「新しい恋愛」



 高瀬隼子「新しい恋愛」(『群像』2024年2月号所収)を読みました。
 キラキラネームはもはや当たり前となり、恋愛について積極的に語り合うようになった近未来、主人公知星(チホ)の姉が遠出をするため、姪の美寧々(ミネネ)を預かることとなった一日の状況についての小説で、知星が回想する場面の中での肉食系女子の面の描写は読んでいて面白かったのですが、それよりも美寧々の恋愛至上主義的な考え方が個人的になかなか強烈で、小説の後半にある「まるで無知な子どもを導く準備をしている、大人の代理人みたいな顔をして」(22頁)と言う知星の台詞もこの小説の展開では無理ない気がしました。
 ですが、読み終えた後にとても怖くなりましたし、ホラー小説かしらんとも感じました。
 まあ、個人的にはこの小説に書かれているような未来は嫌ですし、不倫をこの小説の後半のように考えるのはちょっと受け入れがたいです…。