「見知らぬ人」 | F9の雑記帳

「見知らぬ人」




 紗倉まな「見知らぬ人」(『群像』2022年11月号所収)を読みました。
 知人の結婚式に出席した主人公の夫の行方が分からなくなるという展開そのものはそれほど怖さを感じなかったのですが、主人公に依存気味の主人公の不倫相手や夫の不貞行為の相手である女性の言動が粘着質で、それらに振り回される主人公が読んでいるうちに気の毒に思うと同時に虚しい気持ちになりました。
 主人公が(小説の中で)色々やっているのに、(小説の中では)優しい気持ちに応えることもなく夫が家に帰ってこず、以前の日常も戻ってこないだなんて…。