『不滅の物語』
別の作家の小説を読みたくて探しているうちに知った「文学の冒険」シリーズの中で題名に惹かれて桑名市立中央図書館で借りてきたのが読んだ動機なので、作者について(ブックカバーの作家の紹介文にあるような、殆どの作品をデンマーク語と英語で書き、デンマーク語版の場合はカーレン・ブリクセンと言う作家名で発表したと言った)知識もなく読み出したのだが、収められた7篇の小説(「不滅の物語」「満月の夜」「指輪」「カーネーションを胸に挿す若い男」「悲しみの畑」「エコー」「女人像柱──未完成ゴシック物語」)は読んで良かったと思った。
そして、その中でも、実業家が昔聞いた話を実現させようとする一部始終を書いた「不滅の物語」、若き領主のもとを訪れた乳母から語られる内容が衝撃的な「満月の夜」、ある出来事を切っ掛けに自分の運命に思いをはせる「指輪」、若くして売れた作家が一晩の行動の後に幸福について気づく「カーネーションを胸に挿す若い男」、息子の無実を証明しようと約束の時間までにライ麦畑の麦を刈り取ろうとする母親の姿が印象的な「悲しみの畑」が個人的には印象に残った。作品集であるから、印象に残る小説が多いのは当然だろうが、結構多かったな…。
