スキーに関しては、初心者同然だった癖に、自分の運動能力を過信した俺は、(何度転倒しようが)力任せに滑っていた。基本的な練習をしなくても、中級レベルに到達するなんて、造作もないと考えていたのだ。
すると、S町が「最初は、ボーゲンから始めた方がいい。」とアドバイスして来た。「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」という台詞が頭の中を過った。(半分くらい、ホント…)
見かねたS町が、「プロの将棋の世界でも…」と、得意分野の例え話を始めた。「強い人っていうのは、『ここだけは譲れない』という部分以外、他人の話を素直に聞くらしいぞ。」
嫌いな人間から、こんな素晴らしい名言が出るとは、予想だにしなかった。俺は、素直に(当然?)彼の言葉に従った。
やがて、M野(※)は、スキーにのめり込み、毎年冬には、雪山へ出かけて行くようになり、俺は、(S町のお蔭で)短期間で上達することが出来た。
(_・ω・)_ババァン!!
<おまけ> 西野カナ
『トリセツ』
しかし、俺達を巻き込んだS町本人は、会社の女性に振られ、スキーからもフェードアウトした。つまり、将棋だけが趣味の男に戻ったのである。
その後、M野が誘っても、興味すら示さなかった(スキー嫌いになった?)らしい。
結局、S町だけは、何も変わらなかった。(笑)
それが人生さ!!
※ M野は(控え選手だけど)、某スポーツで全国大会に出場した男なので、基本スペックが高い。