カット予約は電話なんだろうけど、
つい直接聞いてしまう、なぜだろう。
ついでに余計なことまで言ってしまう。
失言だったとすぐに思う。
あまり考えなしで思うまま話してしまう。
社長は、
核心に触れないように、
嘘までついていた。
嘘でないかもしれないが、多分きっと嘘なのだ。
人に思わず嘘をつかせたことを一人反省する。
確かに、
相手がどんな意図でそんな世間話をしてくるのか、
警戒されても仕方あるまい。
タオルを外干しして外出したかったが、
これ以上遅くなるわけにもいかず、家を出た。
仕事が休みだからといっても家でダラダラ過ごす日はない。
ない、といい切れた。
こんなにも自分の時間を大切にしている人はあまりいないかもしれない。
働くことさえも控えられるならば控えようとする。
仕事、所詮は仕事。
暮らしていくため、必要な範囲内で沢山だ。
自分にとっては、
やりたいこと、行きたい場所、すべきこと、
それらが最優先。
私と座りたいから、隣とっぴしといて、
と頼まれていたの。
嬉しそうに母が言う。
先日の宗教の直会の話だ。
この宗教では、
支部が人の家だ。
先日は100人くらい人がいたのかもしれないし、50人なのかもしれないが、
どこに座れば良いかわからないくらいに人が溢れていた。
若い人もいるが、誰も、
あとから来た私に
ここ座りなよ!
などとは言わず、知らん顔をしていた。
母がいる島のお年寄りが、
食べ残しの寿司などを、
これ、
あなたに
などと言って渡してくれた。
母は仲間と盛り上がっている。
奥様が言った、
あなた、
誰と仲いいの?
いないか、
じゃあ、お母さんのとこに、
という言葉がグサリと胸に刺さったまま。
毎月、参加もしないのに会費だけを納めていた。
母にとっては大事な居場所。
私はいつもこうだった。
次の日、
母に電話をした。
私は、
母が死んだら、あの宗教辞めます。
馴染めないから。
20年会員だけど、馴染めないんだ。
母は、
他の仲間と同じで
うちも私の代で終わりよ
と言って薄い笑いを浮かべた。
他の仲間と同じ、
それが母には大事なことだ。
なぜ私はみんなと感覚合わないのだろうね
と母にいうと、
あなたは幸せなのね。
問題抱えてないからよ。
と言う。
また後日母に電話すると、
捨て猫みたいに小さな自分をアピールしていた。
私は母の母ではないのだ。
これではどちらが親なんだかわからない。
きっと私はみんなと違う次元にいるのだろう。
そう思うと腑に落ちた。