最後の日記
海軍大尉 山下久夫 命
神風特別攻撃隊第二正統隊
昭和20年4月28日 南西諸島方面にて戦死 享年23歳
4月13日
袴も母上が縫って大井へ送られたmのを着、肌着も新しいものをつける。
軍服は最良の第一種軍装を着よう。
照一の写真も持っている。
ただ、ふる里の皆様のご健康を祈るのみ。
今日の12時、発信していく。今晩突っ込むか、また明日か。
お姉様の最後の便り繰り返し読む。
ありがとうございました。心より永久に感謝しています。
家から荷物の受け取った便りを見ないでいくのもちょっと心にかかるが、大したことではない。
今は朝の0412なり、新しき飛行服に飛行靴、これが俺の衣装だ。
坂本の小母様の千人針と、母から送られたマフラーを持っていく。
としこよ、絹のマフラー、俺が貰うよ。その代わり、隊でもらって少し汚れているが他の一つを入れておくから、これをお前の何かに使え。これも4、5回しか着けなかった。
朝早くより、試運転らしい爆音聞く。
では今より、99艦爆に乗り行かんとす。
では皆様、切に多幸を祈っております。
これで私はペンを置きます。さようなら。
父上、母上、私のために泣かれるな、色々とありがとうございました。
兄弟よ、さらば。俺は征く。後を守って幸福になれ。
参考
「英霊の言の葉」靖国神社