エリザベート

@帝国劇場

[上演時間]3時間5分(休憩25分)

 

[脚本・歌詞]ミヒャエル・クンツェ  [音楽・編曲]シルヴェスター・リーヴァイ 

[演出・訳詞]小池修一郎

[出演]愛希れいか / 山崎育三郎 / 田代万里生 / 甲斐翔真 / 未来優希 / 

涼風真世 / 上山竜治 / 他


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帝国劇場に行くこと自体が、あまりに久し振りでめまいがしました。

知らぬ間に世間はいろいろと様変わりしていました。

まあそれは別記事に書くとして、こちらは「エリザベート」についての感想をぼちぼち書き残すとします。

ちなみに最近は演劇関連の情報を仕入れていないので、インタビュー等で明らかにされている情報でも全く知らない前提でお願いします。

(どのくらい情報弱者かと言うと、ここ2年の浦井くんの出演作さえほとんど言えない。酷い)

 

そして、どうしても今期初見の育トートばかりオペラグラスで観てしまい、見落としてるシーンも多々あります、ということであせる

当然の如くごくごく個人的な感想です、ご容赦下さいませ。

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セットや演出は、2019年の上演とほぼ変わりないように見えました。

シシィとフランツの出会いのシーンで銃声がなかったのは、演出なのかトラブルなのか?

金管楽器は音を外しはしないものの、やや微妙だなぁというシーンはいくつかあり。

オケさん頑張って!

 

 

愛希シシィは相変わらず歌が素晴らしかった。

高音を恐れずに聴けるシシィ役って、もうそれだけでありがたい(歌重視派だから)

精神病院のシーンはなかなか胸に迫るものがありました。

あの歌の難しい高音もきっちり歌ってた。

 

 

今期のトートダンサーも粒ぞろいですが、育トートを観るのに必死でトートダンサーを追う余力がありません(^_^;)

2階席はオペラグラス必須ですからね。 

 

 

涼風ゾフィーと万里生フランツは、もはや伝統芸の域。

伝統だから必ず好きだというわけではないけれど(おっといきなり毒吐いた爆弾

万里生くんは、メイクを再検討した方がいいような。

元々が整っていてノーブルなお顔立ちなので、もっと薄化粧でいいと思う。

そして万里生フランツといえば、ラスト直前の「悪夢」。

愛する妻を救おうと必死な皇帝陛下は、報われなくて可哀相だけど大好きです。

 

 

上山ルキーニは、妙に真面目だなぁと思ってみたり。

育三郎ルキーニみたいに歌い上げるタイプじゃないし(育ルキが特殊だっただけ)、台詞調の場面も多いのに、なぜか音程が難しいフレーズに限ってきっちり歌おうと頑張るんですよね。

いっそ楽譜はあってなきがごとし高嶋ルキーニ路線を突き進むのもいいと思う。きっと似合う。

 

ところで歌い上げ系ルキーニでなくなったことにより、トートとルキーニを対比させる場面が妙に浮いているような気がします。

あんなに大好きだった歌合戦のオープニングなのに、違和感を覚えるなんて(T_T)

 

 

今回の少年ルドルフは、歌上手かったなぁ。

真っ直ぐな歌声が劇場に響き渡って、気持ちよく聴けました。

 

大人のルドルフは、一言で言って「健全」、健康体って感じ。

影が…影が見当たらないぞ。苦悩も危うさもいっこも感じられない。

この世界で安らげる居所がないよ~♪とか歌われても、いやアナタ絶対友達多いでしょ、孤独と無縁なタイプでしょ?としか思えん。

影のないルドルフと、妖しくないトート。

この二人の「闇が広がる」は、も、萌えない汗 だって闇が無いから広がらないよ。

 

 

さて、初見の育トート。

ぶっちゃけ今回は、育トート観たくてチケット取ったのです。

ビジュアルは、黒と銀がメインのアシンメトリー衣装が基本。

歴代トートはもっとジャラジャラ装飾付けてたイメージだけど、育トートのビジュアルはシンプルに上品にまとめた感。

細身なのでどんな衣装もお似合いですが、ラストシーンの白いブーツはもう少し短くてもいいと思いますです。理由は聞かないで。

黒髪に、銀と紫のロン毛パーマは、一歩間違うと大阪のおばちゃんとカブってしまう危うさを秘めていると思うのは私だけですかそうですか。

 

そして育トート、歌が上手い。あまりにも上手い。

分かってたけど、やっぱりいい声だぁぁぁぁぁラブラブ

トートの低音は、たぶん10年前の育三郎くんだったら少し難しかったと思うけど、今ならバッチリですよ。歳を経ると声質変わりますものね。

ほんの少し残念なのは、役柄ゆえに声の甘さ全開とはいかないことかな。

ロミオが糖度30とすると、トートは糖度8くらいですかね(決めつけ)

 

 

ただ、……んーーー

言いにくいことこの上ないですけど、いろいろ疑問はある。

 

思うに、育トートは、神性が皆無。(ごく個人的な感想です)

すごく人間っぽいのですよね、良くも悪くも。

まあ、トートという存在がなんなのか、単純に「死神」なのか、概念なのか、そもそもが微妙なので、人間らしいトートもアリではある。

しかし育三郎くんが自覚的に人間らしいトートを造形しているのか、そうでないのかワカラナイ…

足元弾みがちに階段降りてきたオープニングで早くも、おや?人外には見えないなと思った。

 

あと他のキャラクターとトートとの関係性がよく分からない。

シシィですら、あまり執着しているようには見えないなぁ。

トート単独ではきちんと存在してるけれど、物語全体としてはしっくり来ないというか。

てか育トートが一番執着してるのは、自分自身ではないかい?(^_^;)

 

 

しかし歌はとてつもなく上手い。

これはとっても重要です(少なくとも歌重視派にとっては)。

芝居の多少の違和感さえも、育トートなら強力な歌で全てをなぎ倒すことが出来る。

爽快感もあり、目隠しされてるような怖さもあり。

 

歌が上手いと簡単に言っちゃいますけど、もちろん努力に基づいたものだと分かってます。

だって本当に、驚愕するほど上手いんだよ…

動きながら息も切らさずロングトーンで歌い上げることの凄さよ。「最後のダンス」とか、聴かせますよね~

でも個人的には囁くように歌うところが好きだったりして。

 

 

これだけではなんなので、育トートの好きなとこ。

子ルドルフとのからみは好きでした。シシィよりも子供誘惑するの上手いね(語弊語弊あせる

個人的に、トートが子ルドに銃口向けるのが好きじゃなくて。

かつて石丸トートだったか?子ルドに銃を向ける仕草を最初に観た時は、背筋がぞわっとしたものです。

トートの無慈悲さを表してるのかもしれないけど、直接的に危害を加えようとするのはちょっと…子供だしさ…

でも育トートは銃口を、子供ではなく自分の頭に向ける。(他のトートも同じかもしれんが)

これだとトートの意思で積極的に殺すというよりは、やがて自ら命を絶つルドルフの運命を暗喩しているように見える。

どこか寂しそうな表情含め、意味深でドラマティックで、ドキドキしました。

 

 

育トートはとりあえず弾むように歩くのはやめた方がいいと思う。

後ろ姿に生命力あり過ぎるのよ… 妖しさのない、生気に満ちた死神とはこれいかに。

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言いたい放題言いましたが、まだ初日の幕が上がって間もないですし、今後どう変わっていくかは分かりません。

でも以前と違って変化してゆく過程を見届けることは出来ないのだ。観られる回数限られてるから(T_T)

 

手元に残った最低限のチケットで、どこまで育トートの進化が確認出来るか?

でもまあ、あの歌が聴けただけでも良しとしますか。