<ジェリー・ゴールドスミス作品 雑記>

 大いなる決闘 THE  LAST  HARD  MEN

1977年公開!

チャールトン・ヘストン、ジェームズ・コバーン主演の西部劇!

音楽は、ジェリー・ゴールドスミス!!

初見は、TV放送。

その後、激安DVDを買って、1回は、見てるかな?(笑)

今回、超久しぶりに、

BS NHK版にて、鑑賞!

シネスコサイズ、モノラル音声。

 

なにしろ、ゴールドスミスの音楽がダイナミックでカッコ良く、大興奮の1編なんですよ!

また、この音楽、

実に興味深い逸話があり、その観点からも、大注目できる1編でもあったんです!!

その興味深い、私の注目体験を(笑)、順を追って、説明していくと・・・・・・。

 

〇 1977年 「大いなる決闘」公開当時の私は、映画音楽に興味を持ち始めた時期だったんで、いろんな映画音楽を聴きたくなり、それらをまとめた映画音楽集のレコードを親にねだって!(笑)、何枚か買ってもらい、聴きまくっていた! ← このとき、ニセサントラの存在を知る!(笑) いわゆるカバーバージョン! オリジナルとは、だいぶ印象が違う期待ハズレの演奏多数!(笑)

そんな中に、最新映画として、「大いなる決闘」のカバーバージョンが収録されていたレコードがあり、演奏は軽っぽかったけど(笑)、 おーーー、なかなかいい曲だなーーと大注目! もちろん、「オーメン」(1976)のジェリー・ゴールドスミスの新作なんで、またもやかっこいい曲を作ってくれたんだなーーーと感心。 ただし、なぜか本物のサントラは、出なかった!

← 「大いなる決闘」自体は、この時、見てない。

 

〇 1978年 ジェリー・ゴールドスミスの西部劇「100挺のライフル」が、TV放送。

で、そのメインタイトルを聴いて、驚いた!!

あの「大いなる決闘」の曲によく似ていたのだ!!??

愛聴してた、カバーバージョンとそっくり!

これはいったいどーいうことだ!?

ちなみに、「100挺のライフル」のサントラレコードは、当時発売されてない。

 

〇 1978年 ジェリー・ゴールドスミスの戦争映画「モリツリ」が、TV放送。

骨太のダイナミックなゴールドスミスサウンドに酔いしれる!

このとき聴いた曲が、数年後、別の映画で聴けるとは、この時知る由もない!(笑)

ちなみに、「モリツリ」のサントラレコードも、当時発売されず。

 

〇 1981年 「大いなる決闘」 待望のTV初放送!

この時、初めて、見て、聴いた。

で、驚いた!!!(笑)

3年前のオドロキが再び!!

まさに、あの「100挺のライフル」と、ほぼ同じ曲が流れていたのだ!!

ただ、まったく同じではなくて、「100挺のライフル」には、途中、メキシカンタッチの曲調部分があるんですが、「大いなる決闘」は、そこの部分、メキシコ色をなくしてスマートにした曲調に改変!!

なるほどなるほど、ゴールドスミスが、自身の曲を再利用したってわけか・・・・・。

・・・・・・・・

で、さらに驚いたのが、

なんと、「モリツリ」で、流れていた曲とまったく同じ曲を使ってたシーンがあったこと!!!

うぉーーーーーーーーー!!!(笑)

どーーいうことだーーーーーー??

あの「エイリアン」(1979)でも、自作の「フロイド」(1962)の曲を使っていたので、それと同じことなのかーーーー???

 

???????

 

このオドロキは、やがて、ゴールドスミスのことをいろいろ調べていく過程で、わかるんだけど、

なんと、

「大いなる決闘」は、

最初、レナード・ローゼンマンが音楽を担当!

でも、プロデューサー陣が気に入らず、急遽、音楽を変更することに!!

ここで、時間がなかったのか、真意は不明だけど、新しく音楽家を雇って新規に曲を依頼することはせず、同じ20世紀FOX作品のライブラリー音源から、ゴールドスミスのいくつかの作品を流用してみたら、うまくいったんで、これでいこう!!ということになったらしい・・・・・。(笑)

結果的に、なんと、ゴールドスミスの「リオ・コンチョス」(1964)、「モリツリ」(1965)、「駅馬車」(リメイク)(1966)、「100挺のライフル」(1969)のサントラから、それぞれの場面にあう曲が選択、流用された!!

一応、映画のクレジットの音楽担当は、ジェリー・ゴールドスミスと記されているけど、のちのちのゴールドスミスの担当作品リストに、この映画が入っていることはほぼなくなってる。 自作だけど、流用曲使用ということで、外した模様。

 

〇 2012年 ゴールドスミス・ファンが、狂喜乱舞した、サントラCDが発売!!

そこには、

「大いなる決闘」の、没になったレナード・ローゼンマンのサントラと、流用されたゴールドスミス4作品の、本編用に選曲された曲の再演奏バージョンが収録されていたんです!!! ← この再演奏の録音が、当時行われていたということには心底オドロキました!! なぜかというと、この再演奏バージョンは、結局、本編には、使われてないから!! 

本編には、それぞれの作品のサントラを、そのまんま使ってたんです!!

この点は、不思議。 ← 一度テンプトラックした曲をわざわざ差し替えるのがめんどくさかったからか?(笑)

さらに不思議なのは、

本編で使用された「100挺のライフル」のメインの曲は、改変されているので、当然、これだけは、再演奏されたんだろうと思ったんですが、ここに収録されてる再演奏版は、実は本編の演奏と違ってたんです!!

決定的な違いは、改変部分を奏でてる楽器が違う!!

実際の本編演奏は、そこの部分、ダイナミックなホルンが奏でてて、超ド迫力で、カッコいいのに、CDに収録されてる再演奏版は、ホルンじゃあなくて、もっと軽めの楽器でサラっと演奏。 ちょっと拍子抜け!!

いったい、どーいうこと??

本編演奏は、明らかに、「100挺のライフル」のサントラをそのまま使った上に、その音質とまったく変わらない状態で改変された演奏にすり替わっている!!!!

不思議、不思議!!

この説明が、CDの解説書にも、書かれてないんで、謎は、謎のままで、いまだに残っている・・・・・・・。  モヤモヤモヤ・・・・・・・。(笑)

ゴールドスミスサントラ、史上最大の謎!!??

 

よって、私が、一番気に入った、超絶にかっこいい「大いなる決闘」のエンドタイトルは、本編でしか聴けないことに!!!!

 

うーーーん、なんとかならないものか・・・・・・。

 

今回、久しぶりに、本編を鑑賞して、細部は、忘却の彼方だったんで、

新鮮な気分を味わったんだけど、今まで気づいてなかった点があり、これまたビックリ!!(笑)

私、ゴールドスミス作品のサントラからの流用曲は、ほぼそのまんま使ってたと思い込んでたんだけど、今回よくよく聴いてみたら、単純な流用ではなく、かなり細かく音編集をして、複雑なカット割りに見事に合わせていたことがわかりました!!  しかも、ツギハギしたことが、まったくわからず、自然に聴こえるんですよ!!

まさに、神業!!

こんなことができるんですね!!

思えば、ちょっと前に、見て聴いて驚いた、あの「キングソロモンの秘宝2 幻の黄金都市を求めて」(1986)における、ゴールドスミス他、いくつかの作品からの曲の流用も、まったく違和感なくツナギあわせて聴かせてた超絶テクニックと、おんなじでした!!

いやああ、素晴らしい!!

← 私、詳しくは知らないけど、通常の音楽も、実はツギハギだらけで、別々の日に録音したものや、OKテイク部分だけを抜き出して編集していたりと、かなり苦労して、最終的にひとつの曲に、まとめてるらしい・・・・・。 だから意外に、こういうことはお手の物ってこと??

 

映画の感想としては、

意外に、小品!(笑)

シネスコのワイド感がなきゃあ、2大スターが出てなきゃあ、まして、ゴールドスミスが音楽を担当してなきゃあ、完全に埋もれてましたね!!(笑)

冷静に見ると、ショボイ西部劇です。(笑)

ただ、

クライマックスの2大スターの対決だけが、

大いなる見どころ!

大いなる決闘!!(笑)

サム・ペキンパーっぽい演出と、ゴールドスミスのダイナミックサウンドが炸裂!!大興奮の極致!!(笑) 

続く、エンドタイトルのカッコよさで、

ほんと、あーーー、見て良かったーーーー、

ジェリーの音楽ほんと最高じゃん!!って、思いますよ!!(笑)        ちなみに、最初のローゼンマンの音楽。 これが、ぜんぜんダメ!(笑)     私でもNG出しますよ!(笑)