黒い罠 ディレクターズ・カット版  TOUCH  OF  EVIL

1958年公開!

あのオーソン・ウェルズ脚本、監督、出演の犯罪映画!

音楽は、ヘンリー・マンシーニ!

 

最近、あの「地獄の黙示録」」(1979)で、音響革命を引き起こした編集マン、ウォルター・マーチの、自身の編集術を語った本2冊を久しぶりに読み返したら、急に、まだ見てないマーチ作品を見たくなり(笑)、今まで無視してたけど?(笑)、ここらで気合を入れて本格的に見ていこうかと、決断!! ← マーチ担当の映画は、ほとんどが自分好みではなかったんで(笑)、無意識に敬遠?(笑)  ずーーーと後回しにしてた!(笑)  ← もちろん、自分好みの映画は見てる。 たまたまマーチが担当してただけ。(笑)

 

でも、この本で、発奮!!(笑)

語られてるマーチの、まだ自分が見てないスゴ腕編集テクニックの担当映画群を、好む好まざるにかかわらず、実際に見てみたくなり、(笑)、

すぐさま、その作品群の見る術を改めて確認、そして確保に動き(笑)、あとは、順番に見ていくだけの状態にしてしまいました!(笑)

← こういう作業は、ほんと楽しい!(笑)

 

その第1弾としたのが、この「黒い罠」!!

マーチは、この作品の再編集を1998年に担当。 

日本では、未公開?  DVDスルー?

実はなぜか私、日本版のDVDを持っており(笑)、 ← なぜ買ったのか不明。(笑) 激安だったからか?(笑)

今回見るにあたって、このDVDで見るか、WOWOW放送版で見るか迷ったんで、マスターが同じかどうか、両方、ちょっと、冒頭だけ再生。

そしたらなんと、DVD版は、ビスタサイズ。 WOWOW放送版は、スタンダードサイズ!! マスターが完全に違う!!

これだったら、映ってる範囲が広いスタンダードサイズで見ようと、即断!

WOWOW放送版で、鑑賞することに。(笑) モノクロ。モノラル音声。

 

で、見終わって、改めて、細部を確認したら、不思議なことに気づきました!!

 

◎私の持ってるDVDのパッケージに表記された時間は、106分。(実測しても、106分だった!)

◎WOWOW放送版の、実測タイムは、111分!!!

  アレ? 両方、ディレクターズ・カットなのに、なんで時間が違うのか?

  いちいち映像を確認するのは、めんどうなので(笑)、その差は、不明のまま。

 

うーーーん、、なんでだ??(笑)

 

この話で、私をややっこしくさせてるのは(笑)、1958年当時、一番最初に完成したオーソン・ウェルズ編集版を、映画会社側が、わかりにくい!との理由で、ウェルズの承諾を得ずに、勝手に再編集した版が、106分だったこと!!(笑) → 劇場公開版は、これをさらにカットして96分にしたらしい!!

最初のオーソン・ウェルズ版が、何分あったのかは、不明だけど、1998年に、マーチが再編集したディレクターズ・カット版は、111分!

 

だから、ディレクターズ・カットであるはずのDVD版が、当時の映画会社再編集版と同じ106分になってるのは、混乱をまねくわけです!

ほんと、偶然にしては、できすぎてる? 不思議不思議?(笑)

いったいどーなってるの??

単に、DVDの時間表記が間違っていた!っていうのならわかるけど、実測しても106分だからね!!(笑)

 

・・・・・・ここで、私が推測した、ひとつの答えとして、

内容が変わらないのに、この時間差がある場合、このDVD版は、PALマスターを使っていたのではないか!?っていうこと。

これだと、辻褄は合う。

だけど、誰も何もちゃんと指摘してないので(笑)、確証はない!!

あくまでも、私の推測、憶測。(笑)

でも、それしか考えられない!!

一応、

映像と音で、手っ取り早く、検証してみました!

(注) 実測タイムは多少の誤差あり。

◎オープニングの有名な長回しの実測タイム。 

  ・DVD版  3分10秒

  ・WOWOW放送版  3分19秒

◎エンドタイトルの実測タイム

  ・DVD版  2分29秒

  ・WOWOW放送版  2分35秒

◎エンドタイトルの音楽の聴いた感じ。

  ・DVD版  WOWOW放送版に比べて、スピードが速いはずなので、音楽もそれなりに速く聴こえると思ったけど、その違いはよくわからなかった。

  ・WOWOW放送版  正規のスピード。 この速さがオリジナル。

 

これからもわかるように、

ほぼ間違いなく、日本版のDVDは、PALマスターを使ってますね!!

NTSC方式より、若干スピードが速くなってるのがPAL。

それだったら、

その旨、表記してくれなきゃあ!!(笑)

みんな、誤解するよぉーーーー!!(笑)

 

・・・・・・・で、改めて、説明すると(笑)、

当時、ウェルズが完成させた版を、映画会社が気に入らず、勝手に再編集して公開。 ← こういうケースは、ハリウッド映画ではよくあること。 

憤慨したウェルズが、こう直すべきだ!と怒りをこめて書き留めた再考事項メモで抗議! でも、無視され、反映もされず、そのメモは行方不明に。

これが、のちのち大調査のすえ、発見されて、

これをベースに、本来のウェルズ編集版に直してみようじゃあないか!というプロジェクトが発足。

その中心に選ばれたのが、ウォルター・マーチだったのだ!!

それが、このディレクターズ・カット版なのだ!!

もちろん、マーチが再編集したときは、ウェルズはとっくにこの世にいない。

そのメモだけが頼りの、ディレクターズ・カットということになるので、

正確には、

オーソン・ウェルズの再考メモをベースとした、ディレクターズ・カットに限りなく近いウォルター・マーチ版の「黒い罠」!

 

さて(笑)、

そのディレクターズ・カット版を見た私の感想だけど、

正直、

・・・・・・・疲れた・・・・・・(笑)

あらゆる映像と音楽、音響の、今見てもスゴすぎる超絶テクニックが全編に渡って展開されてるんで、見てる側は、そっちばかりに気を取られ、常に緊張が絶えない。(笑)  気が休まることがない!!(笑)

目と耳が、刺激されっぱなし!!(笑)

延々に、ベスト曲ばっかりを聴いてると、脳が疲れてくるのと同じ感覚がここにもあり。(笑)

これが、いいことなのか、悪いことなのか・・・・・・・。(笑)

オーソン・ウェルズのスタイルがそうだから仕方ないんだろうけど、

いわゆる、ウェルズの天才ぶりを見せ続けられてる感じはある。

研究対象には、いいのだろうけど、

これが娯楽映画といえるんだろうかと、疑問は残る・・・・・。(笑)

それでも、話が面白きゃあいいのに、実態は、非常につまらないハードボイルドサスペンスになってたんで?(笑)、

うーーーん・・・・・・・・・・。(笑)

・・・・・・・・・

これを良しとせず、映画会社が、観客のために?、再編集したくなる気持ちもわかるような気がするなあああ。(笑)

そっちの版も見たくなりましたよ!!(笑)

意外に、そっちのほうが、私には合ってたりして??(笑)

← 輸入盤で、3バージョン収録したものが出てたらしいけど、現時点で、当然在庫切れで、手に入れることはむずかしい!

 

映画史上の大傑作と言われている、ウェルズのワンマン映画「市民ケーン」(1941)も、自分、子供の頃、TV放送で、字幕スーパー、ノーカット版で見てるけど、つまんなかった印象あり。(笑)

これのどこが面白いのかと?(笑)

子供心にも、次から次へとわけわかんない話が目まぐるしく展開していく疲れる映画だなああーーとは思っていた。(笑)

こっちは、大人になって、映画鑑賞眼が備わってから、見たことがないので、近々、見るつもり。

でも、なんとなく、この「黒い罠」と同じような感想を持ちそうな気がするな?(笑)

 

さーーーって、どうなるか!!(笑)