天国の門 HEAVEN'S GATE
1981年公開!
当時の問題作をようやく初鑑賞!!
だいぶ前に買ってあった激安中古DVDで!!
シネスコ、5.1ch。
219分!もあるんで、
途中のインターミッションでストップ。 続きは、翌日に。
なるほどねええ・・・・・。
マイケル・チミノ監督ものは、劇場で「ディア・ハンター」、TV放送で「サンダーボルト」しか見たことない。
2作品とも、かなり前に見たんで、ほとんど忘れていて、「ディア・ハンター」は、最初の結婚式のシーンがやたら長かったということと、ロシアンルーレットのシーンくらいしか覚えてない! 「サンダーボルト」は、クリント・イーストウッドが出てたというだけで、どんな展開、どんなシーンがあったのか、まったく覚えてない!(笑)
そんな監督なんで、特に好きになれる要素はなかったんですが(笑)、この「天国の門」は、チミノが、「ディア・ハンター」でアカデミー賞をとり、キャリア頂点にたって調子にのってるときに作られた作品。(笑)
そのため、やりたい放題!(笑)
映画会社のプロデューサー陣に対しても、傲慢な態度をとり、平気で製作費を湯水のごとく使って、我がままし放題!!
そんな目に余る姿勢が、マスコミの耳に入った途端、当然ながら、かなりの反発を買い、徹底的に批判糾弾の嵐にさらされることに!!
普通だったら、それが映画の宣伝になるはずなのに、金がらみのせいか?、世間一般の評判も悪くなり、作品的にも、数回のプレミアで、ほとんどの批評家から駄作の烙印を押され、監督自ら再編集するために公開延期宣言! 219分から149分に!! スニークプレビューで問題点をアレコレ改善して、やっと一般公開したけど、もうすべてが遅すぎて、映画はまったく無視され(笑)、ヒットせず。
巨額な製作費を回収できず、史上最悪の大赤字になったという不遇の作品!!
こりゃあ、俄然興味は湧きますよね!?(笑)
フランシス・コッポラの「地獄の黙示録」(1979)も、おんなじ感じだったけど、こっちは、ヒットしたんで、なんとかなった!
コッポラ作品は、運も良くて、カンヌ映画祭でグランプリを取ったし、見たい気にさせる、売れる要素も多く、宣伝がしやすかったし!
また、最初からオーディオビジュアルマニアを大注目させたこともヒットの要因だと思う。 ← 革命的なサラウンド音響が使われた。
公開劇場では、スピーカーも増強され、内容はともかく?(笑)、映像と音響の凄まじさで観客を圧倒!! それだけでも金を払って見る価値はあり、満足度はあった。(笑)
反対に、チミノ作品は、公開前の段階から、いろんな面で、すでにつぶされていたし、売れる材料もとぼしく、宣伝が非常にむずかしい、マイナス点があった・・・・・・・。
日本でも、映画雑誌とかで、毎月のように、その評判の悪さが伝わってきて、私も興味津々だったけど(笑)、「地獄の黙示録」と違って、題材とビジュアルと出演者たちと音楽的にまったく惹かれるものがなかったせいで、興味が湧かず、やっと公開となったときも、冷めに冷めて、見送り。(笑) ← 149分版での公開だったらしい。
ようやくですよ!!
今になって、見たくなったのは!!(笑)
どれどれ、大失敗作と言うイメージが強い、「天国の門」って、実際のところ、作品の出来はどうだったのか!?と!!
急に、確かめたくなったというわけなんです。(笑)
で、見たんですが・・・・・。 ← 219分の完全版。
なるほどねえええ・・・・・・。
叙事詩的な大作感と、ニューシネマ的な小粒感がバランス悪く共存しているちょっと奇妙な味わいの作品になっており、
私としては、・・・・・・微妙かな・・・・・。
その微妙になった最大のマイナス点は、
★金をかけたわりには、クライマックスの戦闘スペクタクルがイマイチ!!
金をかけてるんだから、ものスゴイものを見せてくれるんだろうなああって、大期待したのに、そうはなってない!!
これは致命的だと思う!! 誰もがそう思ってると思う!!
★もともとの題材が悪い!!
← 本当にあった話らしいが、実はチミノがかなり改変している!! 事実とだいぶ違うらしい。 これも評価が悪くなった要因だと思う。
★カットされたのか、人間描写がよくわからないところがある!!
登場人物が多いわりには、深堀りされてないので、見てて納得できないシーンが多い。
← 一番最初に、チミノが上層部に見せた版は、5時間25分あった!!
当然、上層部は、怒り心頭!!(笑)
← 3時間以内の作品にすることが、契約条件になっていたため!!
・・・なので、
なんとか削って219分にしたらしい。 ← それでも3時間を超えたが、プロデューサー陣は、これを認めた!
チミノの真意はわからないけど、その後、219分以上のものは出てこないので、5時間25分版は、もう存在してないんだろうね。 ← 赤字の作品なんで、作らせてもくれないはずだし!
★肝心の主演のクリス・クリストファーソンがダメ!!
超大作にふさわしいスケール感のある風格がまるでないので、これは、ミスキャストといえる。 魅力がない!!
★音楽は良かったけど、静かな曲が印象に残るだけなんで、インパクトはない。
できれば、ショボいスペクタクルシーンを音楽で、盛り上げてほしかったなああああ・・・・・・・・。
いやああ、残念だけど、私としても、作品自体、イマイチだったと結論。
腰砕けの大作でしたね。
当時、駄作と呼んだ、アメリカの批評家は、正しかったということになる!!(笑)
正直、どー見ても、観客受けはしない題材、作風なんで、どー転んでもヒットはしなかったでしょうね? クチコミで広がる映画にはなっていないし。
← その後219分版がヨーロッパで公開され、アートを重視するヨーロッパの批評家からの評価が良かったんで、その余波で、アメリカでも219分版で再公開、再評価の気運はでてきたらしいが、・・・・結局は、ヒットせず。
観客の目は、正しかった!!(笑)
ただ、唯一、見るべきところはあった!!(笑)
見る前、スチール写真を見ただけでイマイチだと思っていた、ヒロインのイザベル・ユペールが、意外に魅力的だったんで、びっくり!
これは、演技力の勝利か!
彼女の熱演だけは、いい!!