<ジェリー・ゴールドスミス作品 雑記>
駅馬車(1966年版)STAGECOACH
1966年公開!
あの1939年製作「駅馬車」のリメイク版!
「新・駅馬車」と呼ばれることもある。
音楽がジェリー・ゴールドスミスだったんで、私は、早くから注目!
初見は、TV放送だったと思う。
期待して見たけど、クソつまらなかった記憶あり!(笑)
ジェリーのサントラは、LPとCDを持っている。
オリジナルの「駅馬車」の音楽が、映画音楽のスタンダードナンバーになってる名曲なんで、非常に分が悪く?(笑)、こっちはこっちで、ジェリーらしい、いい曲なんだけど、ちょっとクセがありすぎて、一般的には、どうなのかなと?
また、一連の西部劇の名曲の数々・・・「荒野の七人」「真昼の決闘」「大いなる西部」「荒野の用心棒」などなどとも、比較されてしまうと、さらに分が悪くなり、音楽も映画自体も、当時から、完全に埋もれてしまった感はある。
・・・・・・・でも、
今回、改めてジェリーのサントラを聴いてみて、いやああ、独特だけど、いい曲だなあああって思いましたよ!(笑)
歌の曲も入っているし、聴いてて飽きない、名アルバムだと確認!
特に、2015年に発売されたCDは、新たなマスターを使ってるようで、ステレオの分離感が抜群に良く、LPや今まで何枚か出てたCDとは、同内容なのに、ぜんぜん違った音の拡がりと明瞭度があり、感激しました!! 涙物です!!
曲もそうだけど、ステレオ感もかなり独特!!
さすが、ジェリー!! やってくれるじゃないか!!(笑)
で、映画のほうなんだけど、なんと!日本ではビデオ化されてないんですよ!
オリジナルとかなり落差があるせいで?商売にならないと判断され、意図的に無視されてるのか?、単に見落としてきただけなのか?、理由はわからないけど、現時点でも発売の兆しはまったくない!!(笑)
自分は、仕方がないんで(笑)、数年前に、アメリカ版DVDを買って、そのまんま放置。(笑) ← 初見のTV放送版がつまんなかったんで、見る気が起きなかった。(笑)
これも、音楽がジェリー・ゴールドスミスだから買ったんで(笑)、彼の担当じゃあなかったら、自分も完全に無視してたと思います!?(笑)
うれしいことに、このアメリカ版DVD、アイソレーテッドスコア付きの仕様なんで、まさにゴールドスミスファン向けに発売した感あり!?(笑)
そんな放置状態のお宝?「駅馬車」アメリカ版DVDだったんですが、先日見たオリジナルの「駅馬車」が、最高に良かったんで、もう忘却の彼方になっていたこのリメイク版も、今見れば、再評価できるんじゃあないかと、俄然、興味が湧き、ついに、放置状態から解放!!(笑)
TV放送以来、はじめてまともな形で鑑賞しました!!
オリジナルが、モノクロ、スタンダードサイズ、モノラル音声に対して、
リメイク版は、カラー、シネスコサイズ、モノラル音声。
さて、どうだったのか!!!(笑)
「新・駅馬車」の 〇(マル)とX(バツ)!!(笑)
★ 〇(マル)
・シネスコサイズを最大限生かした絵作りをしていて、全編大迫力!
オープニングから、雄大な森林地帯の空撮をパノラマ的に延々と見せてくれるので、アイマックス的な興奮を呼ぶ!!
そこに流れるジェリー・ゴールドスミスの音楽の軽快さもあって、このあとの映画の展開に、ワクワク感と期待感が高まっていく!
・・・・・・・・
しかし・・・・・・・・・・・・。(笑)
・オリジナルで大迫力だった、アクションシーンも、それなりに再現されている。
シネスコサイズのおかげで、迫力が増してると思いつつも、オリジナルのスタンダードサイズでも、けっこうな迫力だったんで、画面サイズはあんまり、関係ないのではないかと?(笑)
要は、見せ方!!
演出の腕、カメラマンの腕、編集マンの腕により、いかようにでもなるってことか!! 改めて、感じました!!
スタンダードサイズには、上下の迫力があり、シネスコサイズには左右の迫力がある。
どちらのサイズでも利点があるし、スタンダードサイズでも、大きな画面で見れば、アイマックスサイズになってるんで、意外に、シネスコより、スゴイんじゃあないかとも??(笑) ← 見方によれば、シネスコサイズに上下の拡がりを加えたのが、アイマックス=スタンダードサイズともいえる。
★ X(バツ)
・ストーリー展開は、オリジナルとほぼ同じ。
でも、舞台設定を変えてあり、オリジナルは、広大なモニュメントバレー地帯 ←西部劇の定番場所! を駅馬車が走るのに、こっちは、森林、山岳地帯を走る。(笑)
オリジナルと同じにしては面白くないし、勝ち目はないと思ったのか、あえて変えたと推察するけど、スケール感は、間違いなくオリジナルのほうが出ている。
駅馬車が走るのは、広々とした空間でこそ活きるもの!
せっかくのシネスコサイズなのに、ここだけは活かされてなかった。
驚いたのは、豪雨の険しい山の中を走ってる駅馬車の場面があること。
おいおい、こんなルート、普通は走らないだろ! 選ばないだろ! 危険すぎるだろ!!(笑)
この豪雨シーン、あの「恐怖の報酬」のトラックの疾走場面を思い出しちゃうほど、映像感覚が良く似てました!!(笑)
・キャスト陣がぜんぜん、ダメ。
どーしても、オリジナルのキャスト陣の演技と比較しちゃうんだけど、リメイク版のキャスト陣はどういうわけか、ほとんどがミスキャスト!!(笑)
ベテラン陣は、オーバーアクトすぎて(笑)、かえって功を削いでるし(笑)、肝心の主役が、まったく魅力なし!(笑) ジョン・ウエインも当時無名の新人だったのに、天性の才能が開花したのか、非常に人間味のある演技をして、見る側の心を最大につかんだのに、リメイク版の主役のほうは、こっちも新人?だと思うけど、もともと才能がないのか?(笑)、演技、口調に、ジョン・ウエインにはあった優しさが感じられず、ウンザリ!!! ガッカリ!!! こりゃあ、ダメだぞと!!(笑)
ここ、一番重要な点ですよ!!!
あの007のダニエル・クレイグをちょっとほっそりさせた顔立ちも、気に入らない。(笑)
ただのデクノボウでした!!(笑)
それと、魅惑的なアン・マーグレットが出てたので、彼女に注目したんですが、いやああ、ビックリ!(笑) 彼女、ヘタクソですね!?(笑)
彼女の主役ではない作品は何本かは見ていて、そこではぜんぜん気にならなかったんだけど(笑)、今回は、主役に続いて重要な役どころ。 いわば、主演級。
演技力が試されるむずかしい役だったんですが・・・・・
これが、まったくダメ!!(笑)
オリジナルの女優にはあった、不幸不運な境遇に耐えなくてはいけない哀しみと、それでも前向きに必死に生きていこうとする力強さ、この両方が混ぜこぜになった微妙な表情を、ぜんぜんアン・マーグレットは、出せてなくて、見てて興ざめ!!(笑)
我々は、それが見たかったのに!!(笑)
ここでのアン・マーグレットの演技だと、なんか、いい加減でずるがしこい女に見えてしまう。(笑) 悪女っぽいんですよ。(笑) こんな女に、同情なんてできないって感じ。
そのため、オリジナルにあった、人間ドラマとしての感動がなくなってしまいました!!(笑)
いやああ、これこそ、この映画の致命的な箇所!!
なんと! 主役2人が、決定的なミスキャスト!!(笑)
よって、この映画のヒューマニズムが台無しに!!(笑)
特に、オリジナルを見てる人にとっては、早くからこのことに気づくんで(笑)、モヤモヤ気分で見るハメに・・・・・・・。(笑)
いやはや・・・・・・・。
それと、今回見て、初めて気がついた点。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽なんですが、
数々ある、インディアン襲撃のアクョンシーンに、
一切音楽をつけてない!! これにはビックリ! これは珍しい!
駅馬車が疾走するシーンには、ダイナミックな曲をつけてるのに、一番の見せ場であるアクションシーンには、まったく音楽が流れてこない!!(笑)
これは、どうやら最初から意図して曲作りをしたようで、← 監督の指示なのか、ゴールドスミスの判断なのか?
叙情的な部分だけに曲をつけて、トータル的にこの映画の持つテーマを強調したかったようです。
確かに、叙情的な部分は、この映画のキモ。 オリジナルでもそこがいいために感動的な人間ドラマとなり、名作となった。 ← ただし、オリジナルは、アクションシーンにも曲はついていたけどネ。(笑)
この大胆な決断は、実験的で、いいアプローチだったと思うけど、残念ながら(笑)、肝心の主役2人の演技がまったくダメだったんで!(笑)、音楽で盛り上げようとしても、かえって、その大根ぶりが強調されてしまい逆効果!!(笑)
大失敗!と言わざる終えない。(笑)
完成品を見て、みんな驚いたに違いない!!(笑)
私は、ゴールドスミスの曲を聴きながら、無念の境地に達しましたよ!(笑)
残念無念。
曲自体は、感動的でいい曲なのにぃーーーー!!(笑)
もしかしたら、オリジナル版に、ジェリーの曲を使ってみたら、すごい効果で号泣できるんじゃないかな?(笑)
よしよし、これは、ぜひ、やってみよう!!!(笑)
← ちなみに、ゴールドスミスが音楽を担当した西部劇。 けっこういっぱいあるけど、こういう音楽のアプローチをとったのは、この「駅馬車」だけ!!!(笑)
あとは、全部、アクションシーンにも、大迫力のアクション音楽がつけられて、大興奮の極致にいざなってくれてます!!(笑)
きっと、この映画で、反省したんでしょう?(笑)
さてさて、まとめると、
この「駅馬車」のリメイク、
全体的には、大凡作!!
埋もれてしまうのも無理はない。
この先も、日本で、ビデオ化されることは・・・・
まず、ないでしょう・・・・・。(笑)