A.I. ARTIFICIAL INTELLIGENCE
2001年公開!
あのスタンリー・キューブリックが当初作ろうとしてたSFで、私の記憶が正しければ、「フルメタル・ジャケット」(1987)以降に、次回作の候補としてあがっていたと思う?
そのとき噂で聴いたのは、
人口抑制の為出産制限せざるおえなくなった近未来で、子供がどーしても欲しい夫婦にロボットの赤ん坊が与えられる話・・・・・。
私は、これ聴いて、アレ、なんだか「赤ちゃんよ永遠に」(1972)にソックリだなって思いました!(笑) ← 実際は違うんだけど、この時点での情報はこうなってた。
その他、水没してる大都市のシーンがあるなど、特撮の多い映画になるということで、すべてに完璧を目指したいキューブリックは、特撮技術の熟成を待つことにし、一時プロジェクトをストップ! ← 懸命な判断!!
こっちもそんな話、忘れかけていた頃(笑)、革命的なCGIがついに登場!!
それが、スティーブン・スピルバーグの「ジュラシック・パーク」(1993)!!
世界中がオドロキ、驚愕!!
キューブリックはこれ見て、ようやく「A.I.」が作れる技術になったと確信! 再び、着手開始!
でも、この熟成期間に短編の原作をアレコレ見直していたら、いつのまにか、「ピノキオ」をモチーフにした話になっちゃったらしく!?(笑)、大きな軌道修正に!!
キューブリックは製作に廻り、スピルバーグを監督に!! と、変更!!
キューブリックとスピルバーグの最強コンビで、最大のヒットを狙う!!
そんな目論見をしつつ・・・・、スピルバーグにアプローチするも、なかなかうまく進まなかったらしい・・・・・・。 スピルバーグも忙しいから。(笑)
で、やっと、「アイズ ワイド シャット」が終わり、本格的に、再スタートさせようとしてた矢先のキューブリックの突然の死・・・・・・・。
中断。
悶々・・・・・。
普通だったら、製作中止なんだけど、スピルバーグがその遺志を引き継くことになり、製作、脚本、監督をこなして、ついに完成させたのが、この「A.I.」!!
キューブリック・ファンにとっては、長いこと待たされたせいもあり、その期待度は大!!!
・・・・結果は・・・・。
当時、渋谷パンテオンで見ました!!
まずは、当時の感想の要約から・・・・。(笑)
<全体的に暗――い、いやーーな気分にさせてくれる映画。
一見、ファミリーピクチャーかと思うけど、子供には見せたくない気色悪いシーンの連続です!!
キューブリックの監督で見たかったなーーー。>
このように、あまり気に入ってなかったようで?(笑)、パンフレットも買ってない。(笑)
ラストは、いやがうえにも感涙したけど、これって、スピルバーグが、無理やり感動させようとして設定した場面なんじゃあないかと思い、見ながら興ざめしたのも事実。
キューブリックだったら絶対そうしてなかったはずなんで!!??
キューブリックの冷たさとスピルバーグの優しさが、うまく噛み合ってなかったように思う・・・・。
以後、この作品、まったく見ることなく過ごしてきました!
なぜ今、見ることにしたのかは、
最近、キューブリック熱が再燃したから!(笑)
監督作品だけではなく、関連作品も、迷わず、この機会に見ちゃおうという趣向!
そしてまず選んだのが、この「A.I.」!!というわけ!!
実に、22年ぶりの再見!!
WOWOW放送版で!!
◎ 「A.I.」を再見して思ったこと!◎
・CGIによる、ロボットたちの特撮が、不気味の谷である。
気色悪い、見せ方をしている。
これが意図的なのか、偶然そうなっちゃったのか?
不快な気分になる。 これは、ダメ。 吐き気がする。
特に、主人公のA.I.ロボットの顔が溶けるシーンは、やりすぎ!
・感情のないナレーションが入るのは、キューブリックらしいけど、これが時折なんで、違和感を感じる。 しかも無理やり感が ある。 キューブリックだったら、もっと入れたはず。
・「ピノキオ」の話をなぞったストーリー展開をしてるんで、これも違和感がある。
なぞりすぎか・・・・・。 本来描きたかったテーマとズレてるように思う?
・俳優たちのセリフの独特の言い回し、オーバーすぎる演技がなかった!! これは、キューブリック的ではない!
正直、キューブリック節を見たかったぞ!!
スピルバーグ的なものと、キューブリック的なものを混在させて、ファンを納得させてくれなきゃあ!!
キューブリックに、この映画を捧げてるんでしょ!
・いつものジョン・ウィリアムズらしからぬ、奥に引っ込みすぎた劇音楽。
まったく目立たない。
ダビングの仕方が悪いのか?
見終わってレンタルCDを聴いてみたけど、これも地味。
いい曲なんだけど、地味。 聞き流しちゃう。 グっとくる何かがない!!
そのため、映像もあまり盛り上がることがない。
ラストの感動も、「E.T.」のような曲の盛り上げかたじゃあない。
心にしみいる曲調にしました、だから静かなんです、あまり目立たなくしましたって言うかもしれないけど、そうじゃあないんだよなああああ。 ちょっと違う。
あきらかに、この頃のジョン・ウィリアムズは、私としては、スランプに陥ってたと思う。
・キューブリックだったら、音楽は、クラシックでしょ!
1曲だけは、使ってるけど、メイン曲じゃあないんで、どうでもいいような使い方!! 杜撰すぎる!!
ここも、気に入らないなあああ。
・今、改めて見ると、この主人公のロボット役の男の子!
ミスキャストだと思う!!
キューブリックだったら、選ばなかったと思う?
もし、選んだとしても、やってるうちに違うと判断して、交代ってなっただろうね。
「シックス・センス」の有名な子役なんだけど、この映画には合わないね。
見ながらそう思った。
この映画に、まとわりつく異様な なにかが違う! 感は、このミスキャストから来たものだということが、今日ハッキリわかりましたよ!(笑)
もっと、目とハナがキリっとした、いかにもロボット的な顔立ちの子供が必要だったんじゃあないかなああって思いましたねえええ。
いやはや・・・・・。
ミスキャストは、致命的だなあああ!!!
22年ぶりに、最大の失敗の要因がわかりましたよ!!(笑)
うまくいかないもんだな・・・・・。
キューブリックとスピルバーグは、実は水と油だったということが実証されたような映画でしたネ!!!!(笑)
キューブリックが、全体の指揮をしてたら、まだ違ってたと思うと、非常に残念!!
ただ、クライマックスに出てくる、●●●●たちは、いいですねええ。
それと、あの☆☆☆☆!!
なんともいえないあの表情は、見てるだけで、涙が出てくるほど、奇跡的な出来具合だと思います!!!
ここだけは、必見に値します!!
ここだけは、何回見てもいいかも!?(笑)